日本語って海外でどれくらい使えるの?通じる可能性が高い国5選
オーストラリア
東アジアを除くと、日本語はやはりオーストラリアの人に通じる場面が多いなという印象があります。
筆者も現地日本語学校の授業に特別に参加させてもらい、書道をする子どもたちの様子を見た経験もありますし、現地で日本人と日本語で話しながら歩いていた際に、オーストラリア人の年配女性から日本語で「日本から来たのですか?」と話しかけてもらった経験もあります。
「2018年度海外日本語教育機関調査結果(速報値)」によると、オーストラリアの学校や学校外で日本語を習っている人の数は40万人。オーストラリアの人口はおよそ2,400万人ですから、60人に1人が学校で日本語を習っているという計算です。
台湾では135人に1人、マレーシアでは800人に1人、中国では140人に1人ですから、突出して多い印象があります。
さらにオーストラリアには、日本の文化を好んでくれる人も多い印象があります。例えば、雪質の良い「JAPOW(JAPAN+SNOWの造語)」を求め、北海道のニセコや長野の白馬などに繰り返し旅行に来ている人も少なくありません。
また本場ドイツを抑え、「アサヒスーパードライ」が世界で最もおいしいビールだと認めてくれるオーストラリア人も数人いました。
オーストラリア観光局の方から聞いた話によれば、日本人旅行者もオーストラリアへの関心が高く、渡航者数は(新型コロナウイルス感染症の影響の前は)右肩上がりで増え続けていたといいます。
直行便も就航しており緯度もほとんど変わらない両国は、観光の分野でも密接につながっています。その意味で、挨拶程度の日本語を覚えてくれるオーストラリアの人は、増えるとまではいかないまでも、今後も一定数が存在し続けてくれるでしょう。
日本語が通じる国、というわけではありませんが、日本語が通じやすい地域でいえば、日本からの移民が大量に渡った場所に生まれた日本人街も挙げられるはずです。ブラジルのサンパウロにある「リベルダージ(リベルダーデ)」は、その代表例ですね。
先日、大学でポルトガル語を専攻し、ブラジルに留学をした経験のある人に取材をする機会がありました。リベルダージについて聞くと、この土地は昔、監獄があった場所で、後にアジア系の移民が集まる場所になったのだとか。
リベルダージという言葉には、英語で言う「freedom(束縛のない自由)」と「liberty(支配者の圧政や抑圧からの自由)」が含まれていて、昔は監獄があり、いまでは移民が集まる場所として、見事にぴったりの地名になっているのです。
リベルダージには巨大な日本人街もあり、日経2世、3世の人もいます。かなりポルトガル語がミックスした日本語になっているそうですが、やはり日本語もある程度は通じる人が多い土地なんだとか。
このほかにも、日本語を公用語としているパラオの「アンガウル島」も、日本語が通じる可能性が高いエリアです。実は日本で日本語は、公用語として定められていません。そのためアンガウル島が世界で唯一、日本語を公用語としている場所なのです。これはパラオが第二次世界大戦前に、日本の統治下にあったことが影響しています。
歴史を交えながらこうした日本人街をめぐる旅も、新たな発見があるかもしれません。ぜひ現地の言葉や文化を学びながら、コミュニケーションを楽しんでくださいね。
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