料理が出てこない!?神秘の国「ブルネイ」の旅で忘れてはならない基本

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2025/06/07

東アジアにある小さな小さなイスラム教国「ブルネイ」をご存じでしょうか。日本の三重県ほどの大きさのブルネイは、天然資源に恵まれたとても豊かな国。穏やかな国民性で、日本とも昔から交流の深い国なんです。

東アジアの観光先としてはややマイナーですが、イスラム文化の息づくエキゾチックな街並みや建築物、活気溢れるナイトマーケットなど見どころの多い国なんです。初めてのブルネイ旅行を思い切り楽しむために必要な情報を詰め込んでご紹介しましょう。

ブルネイってどんな国?

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ブルネイは正式名称を「ブルネイ・ダルサラーム」という東アジアの国です。「永遠に平和な土地」という意味を持つこの国は、石油や天然ガスの産出国で経済的にとても豊か。ブルネイの国民であれば教育や医療費は無料、所得税もかからないという恵まれた国なんです。

ブルネイの人口は約45万人、首都は国土の東側に位置する「バンダル・スリ・ブガワン」です。首都のバンダルスリブガワンは約14万人の人々が住む最大の都市であり、観光スポットが集まっています。

ブルネイはどこにある?

ブルネイがあるのは世界で3番目に大きな島、ボルネオ島の北部です。日本の約1.9倍もの大きさのボルネオ島、南部はインドネシア、北部はマレーシアの国土。そのマレーシアの国土の中のごく一部がブルネイです。

独立を果たしたのは1984年の1月1日と約35年ほど前のことです。その前はイギリスの保護領で、強い影響を受けながら石油産出国としての形を整えていきました。

日本からブルネイに行くには?

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2019年3月、日本からブルネイへ飛ぶ直行便が就航しました。ブルネイ唯一の国際空港は首都であるバンダルスリブガワンにある「ブルネイ国際空港」。

成田空港からこのブルネイ国際空港までは、約6時間ほどのフライトです。たった6時間で日本とは文化も雰囲気も異なる国へ到着できるので、4日ほどのお休みがあれば弾丸で訪れることもできます。

乗り換え便を利用する場合はマレーシアやシンガポール、または香港などの第三国でのトランジットが必要です。日本との時差はたった1時間!1時間だけ日本のほうが進んでいます。



ブルネイで話されている言葉は?英語は通じる?

ブルネイで話されている言葉は「マレー語」です。マレーシアやシンガポールで話されている言葉と同じですね。

公用語はマレー語ですが、ブルネイの人々はほとんど英語とのバイリンガル。英語もほぼ100%通じるので個人旅行でも心配ありません。最近ではマレー語を学ぶ語学留学先にブルネイを選ぶかたも多いのだそうです。

ブルネイの通貨は?

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ブルネイの通貨は「ブルネイ・ドル」です。2025年5月現在、1ブルネイ・ドルは約111円に相当します。日本でブルネイ・ドルに両替ができるところはあまりありませんので、現地に到着してから空港や両替所で両替をしましょう。

両替の際に気をつけたいのが、実はブルネイ・ドルとシンガポール・ドルはまったく同じように使えるということです。シンガポールと合わせて旅行に出かけるときは、シンガポール・ドルだけで大丈夫ですよ。

万が一現金が残ってしまったときは、ブルネイ・ドルよりもシンガポール・ドルの方が両替がしやすく便利なので、シンガポール・ドルへの両替をおすすめします。

ブルネイはカードが使える国?

ブルネイは多くのところで問題なくカードが使える国です。ホテルやショッピングモール、大きめのお土産屋さんや空港では問題なく利用できます。また、ATMでの現金の引き出しも可能。カードを利用してキャッシングをしたいというかたも安心してくださいね。

ブルネイではチップを払うのがマナー?

ブルネイではチップを払う習慣は基本的にはありません。高級なレストランを訪れても払うのがマナーということもありませんし、相手から求められることもありません。

ホテルのルームサービスを頼んだときや、ルームクリーニングをしてもらったときなどに少しだけ小銭を渡してもよいでしょう。厳格に決まりはありませんから、感謝の気持ちを表すためにチップを渡すのもありです。


ブルネイの物価はどう?

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つづいてブルネイの物価について見ていきましょう。シンガポールはアジアの国の中ではかなり物価が高い方ですが、同じ紙幣が使えるブルネイはどうなのでしょうか?

ブルネイの物価はアジアの国の中では高い方です。が、シンガポールに比べるとかなり安くなる印象ですね。食事も大体が日本と同じ価格帯。しかし屋台の食事は300円~500円とお得です。

レストランやカフェなどではランチで1,000円前後、ディナーだと3,000円くらいから。食事に関しては、屋台を上手に利用することをおすすめします。ローカルフードも楽しめて、食費の節約にもなるので一石二鳥です。

国土が小さいブルネイですが、宿泊費は日本よりもお安い価格帯。ちょっとよいホテルでも6,000円くらいから見つけることができます。東南アジア諸国のように1,000円以下というわけにはいきませんが、全体的にホテルのコストパフォーマンスはよいと感じます。

ブルネイの宗教は?

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ブルネイは国民の約65%がイスラム教を信仰するムスリムの国です。そのため首都バンダル・スリ・ブガワンには数多くのモスクが見られ、モスク巡りが観光のひとつにもなっています。

ブルネイの人々はとても敬虔なイスラム教徒で、お酒も飲みませんしタバコも多くの場所で禁止されています。女性が肌を見せる服装をすることもよしとしませんし、1年に1度は「ラマダン」という日中何も食べない断食の月があります。

とくにこの「ラマダン」の時期、ブルネイでは観光客や非イスラム教徒であっても日中飲食店の店内で食事をすることを禁止するという法律があるので注意。テイクアウトをしてホテルの部屋などで食事をすることになります。

日本で生活をしているとあまり意識することのない宗教。旅行中は相手国の宗教の戒律を気にかける行動を取るようにしましょう。

ブルネイの治安はどう?

イスラム教に対する間違ったイメージのせいで、イスラム教国というだけでなんとなく怖い…と思っていませんか?実際のイスラム教はとても平和な宗教で、証拠にブルネイの治安は素晴らしく安定しており、怖い目に遭うことなどほとんどありません。

ブルネイの人々の多くはお酒を飲まないので酔っ払って暴れることもありませんし、裕福で社会福祉が充実しているので物乞いや強引な客引きなどもいません。

まれにスリやひったくりなどの被害が出ることもありますが、件数は多くありません。荷物から目を離さない、夜に一人で出歩かないなど、最低限の注意を守れば安全に楽しむことができる国です。ブルネイの治安の良さは、初めての海外旅行先としてもオススメです。

ブルネイ入国にはビザが必要?

日本のパスポートであれば14日以内の観光ならビザは不要です。ブルネイは小さな国ですから、通常の観光旅行であれば14日は十分すぎる日数ですので、ビザ取得の必要はないでしょう。

ブルネイには変圧器とアダプターを持参しよう

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日本の電化製品をブルネイ国内で利用するためには、変圧器とアダプターが必要ですので注意しましょう。アダプターは「BFタイプ」と呼ばれる3つ穴のあるものです。変圧器がないとアダプターがあっても電化製品が壊れる危険があるので、絶対に利用しないようにしましょう。

ブルネイのタクシーはたったの46台!?

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ブルネイには鉄道がなく、観光客の陸での交通手段はバスかタクシー、もしくはレンタカーになります。バスは本数もそこそこ多く走っていますが、運転手とのコミュニケーションが必要なので英語かマレー語が話せることが大前提。普通の旅行者にとってはなかなか難易度が高いのです。

そこで利用したいのがタクシーですが、ブルネイのタクシーはたったの46台!流しのタクシーは存在せず、ホテルやレストランで呼んでもらって乗車します。

空港、ホテル間の移動はホテル専用のシャトルバスを出しているところが多いため、到着後や帰国前の移動は心配いりません。滞在中、よいタクシー運転手に出会ったら次の移動を予約しておくのも手ですね。

ブルネイの気候はどう?

ブルネイはマレーシアやシンガポールと同じ、熱帯雨林気候に属しています。年間を通して気温が下がることはなく、湿度も高く蒸し暑い日々が続きます。

雨季と乾季に分かれていますが、10月~1月の雨季以外も雨は多いので旅行の際は雨具が必要です。暑い国によくあるように、建物のなかは冷えすぎていることが多いため脱ぎ着できる薄手の上着を持っていきましょう。

また、モスクに見学に行く予定なら、長袖と長ズボン、足を隠すスニーカーなどは必須アイテム。肌を見せないように配慮する必要があります。

ブルネイの料理はどんなもの?

ブルネイ定番料理「ナシルマック」 image by:Shutterstock.com

海に面していること、周辺をマレーシアに囲まれていることなどから、ブルネイ料理はマレーシアの料理に美味しい魚介類を加えてできあがったものが多くあります。

また、中華系の移民の方々も多いことから中華料理店も充実。主食はお米なので、旅行中に「お米が食べたい!」と思っても困ることはないでしょう。

ブルネイの定番料理は新鮮なエビのフライやお魚のチリソース煮、「ナシルマック」というココナッツで炊いたご飯とおかずが一緒になったプレートなどなど、日本人の口にも比較的合いやすく、変わった味付けのものはありません。ブルネイ版のちまきである「プルットパンガン」も必食です。

初めてのブルネイはここへ!

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ブルネイの街はただ散歩をするだけでも絵になります。あちこちにフォトジェニックなスポットがあるので、写真撮影が好きな方なら一日中シャッターを切り続けたくなるほどでしょう。

ブルネイでは「モスク巡り」や水上タクシーに乗車して、水上集落である「カンポン・アイール」の見学に出かけたり、「ロイヤル・レガリア」という王室資料館でゴージャスな宝物を見たりといったブルネイでしかできない経験ができます。

一方で、ほかのアジアと同じようにナイトマーケットに繰り出したり、ショッピングモールで買いものを楽しんだりと多種多様な楽しみ方ができますよ。

ブルネイのお土産は?

お土産を選ぶのも旅の楽しみの一つ。あとになって「買い忘れた!」ということのないよう、お土産の予習もしておきましょう。

ブルネイのお土産の定番品といえば民族衣装や伝統工芸品である竹で編まれた雑貨など。食べものはチョコレートやバナナの燻製などが人気です。

ブルネイのお土産屋さんで必ず見かけるのが「テナガザル」グッズ。ブルネイにはテナガザルの住むマングローブがあることから、テナガザルのマグネットやぬいぐるみなどがたくさん並んでいます。ブルネイ滞在中にテナガザル探しに出かけたかたなら、思わず手にとってしまうこと請け合いです。

今回はまだまだ観光客の多くない未知の国で神秘の国「ブルネイ」をご紹介しました。ブルネイという裕福な国は、初めてのアジア旅行にもとてもおすすめ。アジアのカオスな雰囲気を感じられる場所もありますし、整然と発展した都市を見ることもできる不思議な国です。

夕方、夕日に照らされるモスクの美しさは日本からたった数時間でこんなに美しい場所があるなんて!と思わせてくれるほどですよ。美しいイスラム教国、ブルネイへの初めての旅に出かけましょう。

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元々インドア派だったはずが『恋する惑星』でウォン・カーウァイにハマり、初めての一人旅は上海へ。カメラ片手にどこへでも行くアクティブ旅女子になりました。現在は大学院に通いつつフリーライターとして、旅・アート・美容・ファッションをメインに活動しています。

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