日本語って海外でどれくらい使えるの?通じる可能性が高い国5選
台湾
親日といわれる台湾ですが、日本が植民地として占領していた悲しい過去があります。
日本は1895(明治28)年に台湾総督府を置き、日本語を使うように現地の人に強制しました。その歴史は第二次世界大戦の敗戦、1945(昭和20)年まで続きます。
この時代を生き抜いた年配の人であれば日本語が通じることが多いのですが、実は現代の若い世代にも通じやすい印象があります。
というのも、日本の文化に詳しいので通じる単語が多いのです。「かわいい」などの言葉を若い世代はよく知っています。
特に筆者が知る台湾人は、ジャーナリストなど海外への関心が高い人が多いというせいもあるのかもしれませんが、日本の地名を驚くほど知っています。
国際交流基金が2019(令和元)年10月に発表した「2018年度海外日本語教育機関調査結果(速報値)」(PDF)によると、台湾で日本語を学んでいる学習者(義務教育の学校や語学学校で学ぶ人)の数は17万人ほど存在しているといいます。
この数字は義務教育の学校と語学学校で日本語の授業を行っている世界の142カ国のなかで第7位。台湾人の人口は2,300万人ほどですから、135人に1人の割合で、日本語学習者に出会う可能性があるのです。
この数に、日本の文化や地名を単語レベルで知っている人、頻繁に日本に旅行に来てくれる人、さらに日本語ができる高齢者を加えると、日本語が少しでも通じる人の数は増えるはずです。
例えば、都心部の人の集まる空港や駅で困ったときに日本語で助けを求めれば、誰か1人くらいは日本語で応えてくれるかも…というレベルといえそうですね。
中国
中国の人と日本人は長い歴史を共有し、しかも漢字という同じ文字を共有する国民同士でもあります。
近年SNSでも“中国語っぽさ”をイメージして漢字のみでコミュニケーションを取る「偽中国語(ニセ中国語)」が日本国内で流行りました。しかもこの偽中国語、実際にに中国の人に見せてみると、なんとなく察して伝わる場合がある…というのも面白いものです。
筆者の個人的な感覚として、中国の人とは筆談もできる上に似たような音の言葉も多いので、ある意味「日本語」で何とかコミュニケーションできるという印象があります。
ちなみに、取材先で出会う中国人ジャーナリストたちに限っての話かもしれませんが、彼らは日本の文化や暮らしに驚くほど詳しいです。Nikonのカメラを使う筆者に対して「なぜ富士フイルムじゃないのか(色彩の鮮やかさが違うため)」と突っ込んできますし、「日本車が世界で最高だ」ともいってくれます。
時計もカシオのG-SHOCKを愛用し、CHAGE and ASKAを歌い、日本のアニメに関しては筆者以上に詳しい人が多いのです。
中国の人口は14億人ほど。「2018年度海外日本語教育機関調査結果(速報値)」によれば、学校や語学学校で日本語を習っている人の数は100万人ほど。日本語を習っている人は140人に1人という程度なので、現実には通じない人の方が圧倒的に多いです。
日本語の通じない中国人とのコミュニケーションにおける醍醐味(だいごみ)は、やはり筆談とお互いの発音の違い比べ。
仮にお互いが英語を使えなかったとしても、漢字を持つ国同士のため紙とペンを用意すれば筆談ができ、お互いすぐに仲良しになれます。
また日本流の読み方と中国流の読み方が似ていたり、逆に全く違っていたりするため、共通点や相違点にお互い驚き合えて楽しい時間を過ごせますよ。
政治的、外国的には難しい局面が続いていますが、近い文化を持ち、お互いに理解し合える土壌を持っているはずの中国と日本。
せっかく海を挟んで長い歴史を共有しているのですから、どこかで中国の人と出会ったら積極的にコミュニケーションをとって、筆談にもチャレンジしてみると面白いかもしれません。