近年、国内外で注目を集めている「田んぼアート」は、現在主流とされている稲とは異なる、品種の稲(古代米)の存在により成り立っています。
この古代米とは、一般的に古くから栽培されていた稲の品種のうち、古代の野生種の形質を残した品種をいいます。
なお、遺跡から発見された稲穂などから再現された米も「古代米」と呼ばれますが、今回の古代米とは違う意味となるそうです。
田んぼアートに使用される稲は、色毎に大まかな品種が使われており、よく使用される品種だけでも11種類にもおよぶそう。
主な色の品種としては、白:ゆきあそび、黒:ムラサキ905、黄色:黄大黒、赤:べにあそび、オレンジ:あかねあそび、などを用いることが多いとのこと。
そして今回訪れたのは、2015年に「最大の田んぼアート」としてギネス世界記録に認定された、埼玉県行田市の田んぼアート会場である「古代蓮の里」です。
古代蓮の里には50mの高さから地上を見下ろせる展望タワーがあり、一般的な高台よりも高いところから田んぼを見ることできのです。
このため、世界一と認定されるほどの巨大な田んぼアートであっても、一般の見学者が絵として認識して楽しむことが可能です。さっそく、2019年の田んぼアートの様子を見にいってみましょう。
世界最大と認められた、大規模な田んぼアート
地上からでは認識できず、飛行機やドローンからの撮影で初めて絵として認識できる大規模な絵といえば、ナスカの地上絵ではないでしょうか。なかでも有名な「ハチドリ」の絵のサイズは、くちばしから尾羽の先端までの長さが約96mなのだそう。
これに対し、行田市の田んぼアートは1区画50mの幅の田んぼ3区画分、約150mの幅を持ち、高さ(縦)に関しても、横幅と同等以上の長さがありそうです。
このため、地上からではとてもこのアートがどんなものであるのかを認識することができないわけです。実際に地上から見てみると、辛うじて色が違う部分があることが認識できる程度でした。
今回、古代蓮の里で見ることができる田んぼアートは、新たな元号である「令和」と、今年日本で開催される「ラグビーワールドカップ」をテーマにしたもの。
「ラグビーワールドカップ」は、日本代表の姫野和樹選手、リーチマイケル選手、田中史郎選手が描かれており、「令和」はその書体を中実に再現しています。
「令和」の田んぼアートには、4種類の稲、「ラグビーワールドカップ」の田んぼアートには4種類の稲が使われているそうです。
例年よりも稲の種類は少ないとのことですが、迫力は例年以上ともいわれています。ちなみに使用されている稲の種類は、緑:彩のかがやき、白:ゆきあそび、黄緑:キヌヒカリ、黒:ムラサキ905、赤:べにあそびだそう。
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