毎年行われる、ブランド総合研究所による都道府県別の魅力度ランキングにて、2019年度も低迷している茨城県ですが、実は日本一が沢山ある、魅力を秘めた県なのです。
今回ご紹介する「牛久大仏」も、その日本一のなかのひとつで、台座を合わせた高さはなんと120mにも及びます。その高さは、およそ30階建てのビル相当。
また青銅製立像というくくりでは、なんと世界一の大きさを誇るのです。その異次元の大きさと魅力、さっそく見ていきましょう。
日本一かつ世界一。巨大で荘厳な茨城「牛久大仏」
「牛久大仏」は、首都圏最大級の公園墓地である牛久浄苑(浄土真宗東本願寺派)に建立された大仏様で、正式名称は、「牛久阿弥陀仏」といいます。
千葉県富津市にある東京湾観音や、神奈川県鎌倉市の高徳院にある大仏(鎌倉の大仏)のような巨大な仏像というのは胎内に入ることができるものも多く、この牛久大仏も胎内へ入ることができる仏像のひとつです。
今回、中に入った印象は、“思っていたよりも広い”というものでした。通常の巨大な仏像というのは、鉄筋コンクリート製か、昔ながらの鋳造銅板による外郭構造(中を空洞にする構造)であるため、壁の厚みを厚くしたり、太い柱を設ける必要があり、外観に比べて内部の空間が狭く感じることが多いのです。
牛久大仏は、“カーテンウォール工法”という高層ビル建築にも用いられる工法により建造されていることもあり、一般的な仏像よりも内部空間を広く取ることができたのではないでしょうか。
ちなみにこのカーテンウォール工法は外壁の重量を内部構造で支える工法で、牛久大仏の場合には鉄骨により構成された骨組みに、表皮として銅板が貼られている構造になっています。
外壁を薄くすることができるため、牛久大仏の銅板は、わずか6mm程度といわれています。
このように仏像としては特殊な工法で造られた牛久大仏は、国内ではほかの大仏を圧倒する大きさなのです。しかし、ただ単に“大きい”とか“120mある”といっても、なかなかそのサイズ感というのはピンと来ませんよね?
おそらく日本で一番有名な大仏であり、修学旅行などで他府県民なども見ることが多いであろう、奈良の大仏(東大寺盧舎那仏像)を例にあげてみましょう。奈良の大仏の全高(高さ)は、約15m。
この数字だけでも、奈良の大仏の8倍ほどの高さがあることがわかると思うのですが、8倍という数字もなかなかピンとこないと思います。そこで、牛久大仏の掌の大きさです。
牛久大仏の左手の掌の長さは、約18m。つまり牛久大仏の掌には、あの巨大な奈良の大仏が軽がると乗ってしまうのです。これは驚きですよね。
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