近年の日本では、支配されることを嫌い、相手に尽くすことが多い傾向にあるという理由から、16歳~24歳の成人前後の世代が「つくし世代(尽くし世代)」と呼ばれています。
そんな、つくし世代はどのような旅行計画を持つことが多いのでしょうか。
この度、宿泊予約サイトであるブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社が、世界29の市場の約2万2,000名を対象に「旅行計画と人生における興味関心との関連性」について、世界規模の調査を実施しました。その結果を早速ご紹介します。
野心に満ちた旅行計画を持つ若者が増えている?
16歳~24歳の「つくし世代」は、人生における旅行計画をどのように考えているのでしょうか。
調査によると、67%は「今後旅する予定の滞在先を楽しみにしている」と回答し、39%が「今後10年の間に少なくとも3大陸を制覇したい」と回答。30%(うち女性34%、男性26%)は「この10年の間に他国に住む」か「留学したい」と答えています。
つくし世代は、成人したばかりの年代ながら、旅行について楽観的な視点を持ち、自らが求めているものをとても明確に把握した計画を立て、さらに自立した考えも持っているといえます。
加えて、つくし世代は果敢な世代でもあるようで、56%が「旅行中にパラグライダーやバンジージャンプなどの冒険的な旅ナカ体験がしてみたい」と回答。
トレッキングなどで「エクストリーム(過激)な旅先に行く予定がある」と答えた人も、全体の52%にのぼりました。日本では38%が旅ナカ体験に興味を示しており、22%が実際に予定しているという結果となったことから、世界よりも興味は薄い傾向にあります。
つくし世代が旅で学び取ろうとしているのは新しいスキルだけではないようで、55%は「自国を旅することで自分自身についての理解を深められる」と答え、日本では38%が「日本を旅して理解を深めたい」と回答。
日本の中でも「関西」に旅したいと考えているつくし世代は36%と、最も人気の地方となりました。旅行中に新しいことを学び、スキルを磨く意欲が特に高いことも特徴的だといえます。
「自分だけでは資金面で実現できなかった旅も、家族と一緒であれば出かけられる」と答えたつくし世代は全体の42%、日本では26%と、若い旅行者たちは家族とともに世界へ足を踏み出しているのかもしれませんね。
一人旅を楽しむ意欲にも溢れている「つくし世代」
しかし、巣立ちのときを控えた年代であるつくし世代は、一人旅を楽しむ意欲にも溢れています。
つくし世代にとって自立は重要な要素で、「今後10年の間に1回はひとり旅をしたい」と答えたのは全体の34%(うち女性36%、男性32%)、日本では27%にのぼり、うち女性は23%・男性は33%と、男性は世界平均よりも日本人の方がひとり旅への意欲は高いことが判明しました。
つくし世代は単身旅行に関心を寄せており「基本的に旅行は一人でしたい」と答えた人は33%にのぼり、この数字は他のどの年代よりも高いものでした。
また、18%は「ギャップ・イヤー(高校卒業から大学入学、または大学卒業から大学院進学までの期間)に1人でバックパッカーの旅に出かけたい」と答えています。
「バケットリスト」を用意していないつくし世代
世界平均の69%のつくし世代が「旅行についてのバケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)がもうある」と回答している一方、日本人の調査結果は真逆の39%という結果になりました。
世界でも日本でも、バケットリスト保有率はつくし世代の女性が特に高いことがわかりました。(世界:女性は74%・男性は64%/日本:女性は43%・男性は33%)
旅のバケットリストを作る理由は「想像の旅を満喫するために、バケットリストを作り今後どこに旅するのか考えるのが楽しかったから」だと44%(日本:45%)が回答し、「バケットリストにある旅先に早く行けると、新たな旅先をまたリストに加えることができるため充足感を感じる」と23%の人が回答しました。
32%の人が「今後10年の間にバケットリストにある旅先の少なくても5カ所は訪れたい」と回答しています(日本:27%)。
バケットリストを用意していないつくし世代(31%)に理由を聞くと「好みが頻繁に変わってしまうため、旅行先選びにも影響が出る」(22%)、「衝動的に旅に出かけており、事前には計画を立てない」(20%)と回答しました。
旅のバケットリストの存在から、単に新たな場所へ出かけたいという意思だけでなく、旅行にまつわるつくし世代の全体的な傾向が見えてきます。
つくし世代よりも上の世代は「衝動的な旅行」を好む?
また、バケットリストを用意していないベビーブーマー世代(55歳以上の世代)の49%のうち、30%が「衝動的に旅行に出かけることを好む」と回答し、回答者が最も多い世代であることが判明しました。
ミレニアル世代(25~39歳)も「衝動的に旅をする」と26%の人が回答し、つくし世代よりも多い結果となりました。特に日本では、ミレニアム世代の31%が衝動的な旅を好むという結果が出ています。
つくし世代が成長してきた過去の約10年間は、不安定な世界経済がもはや当たり前の状態となっていた時代でした。
そんな状況下で形成された彼らの金銭感覚(特に今後5年間でのお金の使い道)に焦点を当てることで、全体的な人生観を掘り下げていきました。
お金の使い道として、7種類のうち5つにおいてつくし世代は、「物を購入することより短時間の体験にお金を費やす旅行の方がより重要」だと判断。
家具・家庭用品、服・ファッション・靴、テクノロジー・ガジェット、レストランでの外食、スパ・美容トリートメントなどより、旅行の方が重要度が高いとされています。
まだ将来の仕事について模索している段階や働き始めて間もない段階にいるつくし世代にとって、キャリアという概念はとても新鮮です。人生で最も重要な体験として「就職」をあげたつくし世代が世界では80%、日本では68%にのぼりました。
旅行に情熱を燃やすこの世代にとって、仕事探しの重要ポイントが「出張に行ける機会の多さ」と回答したのは全体の54%(日本:22%)にのぼり、また57%は「異なる文化に触れられる仕事を魅力的に感じる」と答えました(日本:33%)。
今後の日本を担っていく中心的存在の「つくし世代」。
団塊の世代、ミレニアル世代などと比較しても、シンボリックないくつかの特徴が見えてきました。今回の調査を参考に、今後の人生や旅行について思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
- source:PR TIMES
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