東京の赤羽から始まった?日本と世界のコインランドリーの歴史

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国内初のコインランドリーは「赤羽」にあった?

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1984年に、日本で全国コインランドリー連合会が設立されました。同連合会の歴史刊行委員会が編さんした『コインランドリーの歴史』には、「コインランドリーのあゆみ」として国内外の情報が年表にまとめられています。

年表を見ると、国内においてはコインランドリーの歴史が1953年からスタートしていると分かります。まさに先ほど述べた「家電元年」と重なっていますよね。

最初のコインランドリーは、東京の品川に誕生した1回10円の有人式ランドリーになります(1年ほどで閉店)。それ以前にも1950年に開催された大規模なスポーツ大会で、参加選手の宿舎にコイン式の洗濯機が設置されたとも書かれています。しかし、広く一般の人に向けて作られたコインランドリーではないので、歴史の始まりとはいえないはず。

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ただ、1953年の東京・品川にできたコインランドリーも、スタッフ在中のため現在の無人コインランドリーとはスタイルが異なります。

その意味で、広く一般の人に向けた営業用の無人コインランドリーが誕生した時期は1956年といえます。東京と関西方面で小規模なお店が誕生しました。

その流れを受けて、東京の赤羽台団地に1963年、本格コインランドリー(ドライクリーニング機8台、水洗機4台)が誕生します。1カ所で何台もの洗濯機を用意する現在のようなスタイルの走りですね。

1963年といえば、第1回目の東京オリンピックの前年。「三種の神器」と呼ばれたテレビ、洗濯機、冷蔵庫が一般家庭に普及した時期の真っただ中です。

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『あこがれの家電時代』によると、1961年には一般家庭の半分に洗濯機が入っていたといいます。前年の1960年には、脱水機付き二層洗濯機が国産メーカーから発売されています。こうした時期に本格的なコインランドリーも生まれていったのですね。

東京オリンピックが開催される1964年には、都内に約80店のコインランドリーが存在していたと記録が残っています。このあたりから、国産のコインドライ機やクリーニング機器が続々と市場に投入されていきました。

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オリンピック後の1966年には、東京都クリーニング環境衛生同業組合などから、コインランドリーを規制する動きがみられるほど普及します。1971年には公衆浴場の脱衣場などにもコイン式洗濯機が設置され始めました。いよいよブームは加速します。

1982年には厚生省が初めて『コインオペレーションクリーニング施設実態調査』の結果を発表し、その時点で8,412店まで増えていました。

その後、1995年など平成に入ってからの数は、先ほど述べた通りです。一貫してコインランドリーの数は、誕生から現在に至るまで、伸び続けているのですね。

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