未完成の美しさ。豊臣秀吉を祀る、広島県・厳島「千畳閣」の魅力

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広島県を代表する観光地、厳島

国内外から多くの人が訪れる厳島には、厳島神社以外にも由緒ある歴史的建造物が多くあります。

例えば、以前紹介した宮島で最も古い神社「大元神社」もそうですが、「千畳閣(せんじょうかく)」もそのひとつ。早速、豊臣秀吉を祀っている千畳閣の魅力についてご紹介していきます。

豊臣秀吉が建立を命じた「千畳閣」

厳島神社の裏手にある丘に建つ「千畳閣」image by:御田けいこ

戦国の世に造営を開始した古い建物は、厳島神社を見下ろす丘に建っています。

インバウンドの波で多くの外国人ツーリストでごった返すこともある厳島神社にくらべ、ここ千畳閣は訪れる人がグッと少ない、観光の穴場。

千畳閣外観image by:御田けいこ

さて、正式には「豊国神社」という千畳閣ですが、豊国神社ときいて豊臣秀吉を思い浮かべた人は歴史好き、あるいは秀吉にシンパシーを感じている方かもしれませんね。

豊国神社は、死後「豊国大明神(ほうこくだいみょうじん)」となった豊臣秀吉を祀る神社であり、ここだけでなく、日本各地に存在します。

千畳閣は、実は未完成の建物

畳の数にして約1,000枚という広さを誇る千畳閣image by:御田けいこ

千畳閣の名は床面積が畳の数にして約1,000枚(正確には857畳分)に近いことから。

豊臣秀吉が造営を命じた時代は戦国の世。


秀吉が戦いで命を落とした人々を供養するため「千部経」を唱える経堂を建立しようと考えました。千部経とは1,000人の僧が同時に同じお経を読み、故人を供養するものです。

しかし、秀吉の急死によって造営が中止されたため千畳閣は現在でも未完のまま

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