なんとなく英語っぽいから海外でも通じるだろうと思って使ってみると、意外に通じないことがあります。
例えば、世界的に有名な家具量販店「IKEA(イケア)」もそのひとつ。日本では当たり前のように「イケア」という呼び名で親しまれていますが、実はイケアといっても通じないのです。
英語圏では「アイキア」といい、このように世界で呼び名(通称)が異なります。発音や読み方の関係もありますが、他にも私たち日本人に身近なお店でも海外では通じないことが少なくありません。
ただでさえ日本人には発音が難しい固有名詞なのに、現地で呼び名まで異なっているとなると、道を訪ねたときに全く通じない可能性もありますよね。
そこで今回は、日本での呼び名が意外に通じない店名や商品名を紹介します。海外に出かけたとき、あるいは日本で海外の友人と一緒にいるとき、知っていると便利かもしれませんよ。
「サーティワンアイスクリーム」と呼ぶのは日本だけ
いまから10年ほど前に、友だちのロシア人から「バスキン・ロビンス」に行こうと誘われて、「え、何それ?」と困惑した経験があります。
お店の看板にも「Baskin-Robbins」と書かれていますが、「サーティーワンアイスクリーム」と呼んでいたので、いわれても気づかなかったのですね。
もちろん「サーティーワンアイスクリーム」発祥の地であるアメリカ本部では、正式名称がBaskin-Robbinsとなっています。
Burt Baskin(バート・バスキン)さんとIrv Robbins(アーヴィン・ロビンス)さんが1945年、言い換えれば第二次世界大戦が終結した年に、31種類のフレーバーを用意して始め、「バスキン・ロビンス」と命名されています。
現在では世界52カ国、約8,000店以上の広がりを見せていますが、ほとんどの国では「Baskin-Robbins」と呼ばれているとの話。では、どうして日本では「サーティーワンアイスクリーム」と呼んでいるのでしょうか。
その経緯を日本のB-R サーティワン アイスクリーム(東京都)に問い合わせてみると、
「1974年4月23日に東京の目黒駅前に日本1号店がオープンした当時から『サーティワン アイスクリーム』で営業しております。日本にサーティワン アイスクリームが上陸した際、『バスキン ロビンス』では日本人には分かりづらい、認知されにくい、と思った事業展開者が、豊富な種類のフレーバーをネーミングに『サーティワン アイスクリーム』にしました」
との回答がありました。
「このネーミングは日本だけで、日本以外の国々では、『バスキン ロビンス』と呼ばれています」
とのコメントも。
どうして「サーティーワンアイスクリーム」と呼ばれるようになったのか、さらに詳しくいえば、1カ月(31日)毎日違った味を楽しんでほしいという願いがあったみたいですね。
ただ、筆者の経験でいえば、台湾の人も「サーティーワンアイスクリーム」と呼んでいた記憶があります。実際に台湾人ジャーナリストに聞いてみると、
「We call it 31冰淇淋.」
和訳:わたしたちも31アイスクリームと呼ぶよ。
とのコメントがありました。この点をあらためて、日本のB-R サーティワン アイスクリームに問い合わせると、台湾のお店は日本の管轄のため(日本が台湾に出店しているため)、例外みたいですね。意外な新事実です。