このところ、筆者は繰り返しカナダに足を運んでいますが、行くほどにカナダは多様性に満ちた国だなと感じます。
日本人からするとけた違いの大自然がある一方で、大きな都市も発達していますし、都市のなかにも多様性があり、さまざまな価値観や暮らしが混ざり合っているのです。
そこで今回は、そんなカナダのミステリーと称して、カナダの謎やびっくり文化をご紹介しましょう。
※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。
その1.大都市でクラクションがうるさいのはなぜ?
西海岸のバンクーバーにせよ、大陸の東側にあるトロントにせよ、カナダは都市に出るとクラクションが頻繁に聞こえてきます。さすがにインドやネパールなど南アジアの国々ほど激しいクラクションではありませんが、穏やかで安全な印象のあるイメージとは違っていて、少しびっくりします。
その理由を現地の人たち、あるいはタクシードライバーたちに聞いてみると、ほぼ決まって返ってくる答えは、「昔はこんなんじゃなかった」という言葉。
カナダは移民に優しい国として、移民を積極的に受け入れています。
公共の図書館に移民者向けの生活情報コーナーが充実していたり、2017年には、このようなメッセージを、カナダのトルドー首相が発信しています。
翻訳:迫害やテロ、戦争から逃れてきた人々へ、カナダ国民はあなたを歓迎します。あなたの信条や信仰にかかわらず。多様性は私たちの強みです。
その結果、いまでは国民の5人に1人が移民となっているのだとか。
しかし、移民が増えれば、当然いままで通じていた暗黙のルールが破られます。交通マナーも同じで、予期せぬ運転をする相手が増え、思わずクラクションを鳴らすような瞬間が増えたと、多くの人が教えてくれました。
Ipsosが2019年に発表した意識調査でも、カナダ国民の44%が「カナダは移民を受け入れすぎている」と感じているといいます。
この数が前回の調査より上昇している点を見ても、先にカナダに移った人たちと後から移った人たちとの間で、精神的な分断が生まれつつあるのかも。そのいら立ちの表れが、クラクションなのかもしれませんね。