牛肉といえば、どこの国を思い浮かべますか?アメリカやオーストラリアはもちろん、アルゼンチンやチリなど南米産の牛肉も有名です。
しかし、日本特有の「和牛」も世界で存在感を増しつつありますよね。海外に取材に行っていたときは「wagyu」が好きだという外国人に時々出会いましたから、その存在感が着実に増している証拠だとも考えらるかもしれません。
でも、その和牛について、意外に当の日本人が詳しく語れないという現状もあるはず。和牛といえば日本の牛肉だとは分かりますが、国産牛とは何が違うのでしょうか?和牛とは黒毛和牛という理解で正しいのでしょうか?
そこで今回は日本人ならきちんと整理しておきたい、和牛のQ&Aをつくりました。
【Q1】和牛と国産牛の違いは?
【答え】国産牛の一部に、和牛が含まれている
冒頭でも触れた和牛と国産牛の違い、きちんと説明できますか?和牛と国産牛は何が違うのでしょうか?
大前提として、和牛と国産牛は横に並べて考える(並列する)言葉ではありません。国産牛の一部が和牛という感じで、上下に考えたい言葉です。
日本で肥育された牛(少なくとも全肥育期間の半分以上)を、品種に関係なく国産牛と呼びます。そのなかには白黒の模様で有名なホルスタインなどの乳牛も含み、ホルスタインの雄牛を去勢したり、肥育したりして食肉用として育てた牛も含まれます。
そうした大きな国産牛というくくりのなかに、肉食用の和牛も位置づけられるのですね。
【Q2】和牛は全部「黒毛」なの?
【答え】褐色の和牛もいる
和牛といえば、「黒毛和牛」という言葉を思い浮かべると思います。しかし、正確にいえば、黒毛和牛は4種類存在する和牛のひとつにすぎません。
先ほどの問題からまとめて整理をすると、国産牛のなかに和牛があり、その和牛も「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」「無角和種」の4種類が存在しています。
逆をいえば、この4種類以外の牛は、仮に国産牛であっても和牛と名乗れません。
いわゆる黒毛和牛とは、このうちの黒毛和種を意味します。さし(霜降り)が最も出る品種として、和牛の約95%が黒毛和種です。それで和牛=黒毛和牛という印象があるのですが、実際は他にも存在しているのですね。