初乗り距離を短縮して短距離を利用しやすくする目的と、タクシー運転者の労働条件の改善を図るために、一部の地域にて2020年2月よりタクシー運賃が引き上げになりました。この改定について、どのような反応があったのでしょうか。
株式会社エアトリは、20代~70代の男女791名を対象に「タクシー運賃引き上げ」に関する調査を実施しました。いつものお出かけから旅行時まで幅広く利用するタクシーの現状についての声を、早速チェックしてみましょう。
普段からタクシーを「ほぼ利用しない」が5割に
「一部の地域(25 都道府県48 地域)で「タクシー運賃の値上げ」がされることを知っていましたか?」という質問では、「知っている」人が22.6%だった一方で「知らなかった」人が77.4%という、驚愕の結果となりました。
すでに引き上げが完了しているにも関わらず、約8割の人が知らないという状況が起きていることから、タクシーを利用する人がそもそも少ない可能性が読み取れます。
「今回の『タクシーの値上げ』についてはどう思いますか?」という質問では、値上げについて「どちらとも言えない」と回答した人が54.0%で最多でした。「賛成」は14.7%だった一方で「反対」は31.4%でした。
初乗り距離が短縮となり利用しやすくする目的と、タクシー運転者の労働条件の改善に理解を示しつつも「タクシー運賃が高い」と感じている人が多いようです。
賛成意見には「待遇改善によって安全性を確保してほしいから」(40 代・男性)「自分がお客だったら値上げには反対だが、働く方の立場だったら仕方ないと思うから」(40 代・女性)という声が。
一方、反対意見では「日本のタクシーは高いと思うから。Uber 等がもっと普及すればいいと思います」(30 代・女性)「不便な所に住んでいる人や老人等、本当に必要な人には値上げは生活に直結するので」(30 代・男性)など、値上げによりさらに利用しづらくなるという声が目立ちました。
さらに以下のような意見もあがっています。
- 「短距離だと安いといってもイヤな顔をされる」(20 代・女性)」
- 「運転マナーが悪すぎる。無理やり割り込んだり、横断歩道で歩行者が待っていてもギリギリまで止まらなかったり、歩行者の邪魔になる所で乗客の昇降を平気でする等、迷惑行為も多いので」(40 代・女性)
- 「タクシー運転手の質がかなり低下しているので値上げに対して賛成出来ない」(50 代・男性)
運転手のホスピタリティに不満を感じている人も多いようですね。
「普段どの程度タクシーを利用していますか?」という質問では、「ほぼ利用しない」人が51.7%で最多となり、「数カ月に1回」が24.8%、「月に1.2回」が15.5%と続きました。
田舎や郊外では交通手段が限られてしまい「利用せざるを得ない地域もある」との意見があったなかで、交通機関が充実している都市部では「緊急時以外の利用は少ない」という意見もありました。
数カ月に1 回以上タクシーを利用している人に対して「タクシー運賃の値上げ」後も変わらずタクシーを利用しますか?」と質問。
運賃が値上がりしたとしても高齢者など必要不可欠な人もいるためか「変わらずタクシーを利用する」人は67.0%だった一方で、「利用回数を減らす」は26.2%、「利用しない」は6.8%となりました。
調査4で「利用回数を減らす」または「利用しない」と回答した人へ「初乗り(2km まで)がいくら位までなら継続して利用しますか?」と質問したところ、「450円以下」なら継続して利用したい人が42.9%で最多となり、「500円」は30.2%、「550円」は4.0%、「600円」は10.3%と続きました。
「利用回数を減らす」または「利用しない」と回答したお客様をもう一度取り戻すには「初乗りの金額」と「走行距離」のバランス設定が必要になりそうです。
もともと乗車しやすい値段設定であることに加え、Uberなどの普及により一層タクシーが普及している海外諸国に対し、高くて利用しづらく、特別な時や緊急時に乗るものという感覚がある日本。
利用者に寄り添い、さらに働く側にとってもメリットのある落としどころを探っていく必要がありそうですね。
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