自転車事故による高額な賠償金請求のケースが増えている昨今、自治体が自転車事故に備えた保険加入を義務とする動きが全国で広がっています。
しかしショッピングなどおでかけはもちろん、日常的に幼稚園や保育園へ子どもを自転車で送り迎えする方や、小学生が自転車で遊びや習い事へ行くことも多い現在でも、まだ自転車保険の存在を知らない方が多いといわれているのです。
この度、お出かけ情報サイト「いこーよ」が、4月1日の東京都における自転車保険加入を義務化する条例の施行を前に、小学生以下の子どもを持つ全国の保護者699名を対象とした自転車保険に関するアンケート調査を実施しました。その結果を、早速チェックしてみましょう。
自転車事故のリスクはある。しかし備えが進んでいない現状
「自転車事故で高額な賠償金が請求されるケースがあることを知っていますか?」という質問では、実際の事故などがニュースでも多く報道されていることもあり、9割近くという十分に知られている結果となりました。
- 「幼稚園入園時に資料とともにすすめられた。そこで義務があることを知って調べたのでいいきっかけになった(1歳女の子・4歳女の子のママ:30代主婦)」
- 「自転車を買った時にお店でそのまま入ったが、書面もなくシールだけだった。自動車保険みたくもう少ししっかり条件を付け書面がほしい(1歳男の子のパパ:20代会社員)」
など、何かのきっかけで知ったという方も増えてきています。
「自転車保険を知っているか、または契約していますか?」という質問では、高額な賠償金をはじめとしたさまざまなケースを知っていても、実際の自転車事故に備えて保険に加入している割合は半数程度にとどまっている状況が明らかになりました。
子どもを持つ親世代からは以下のような意見が寄せられています。
- 「最近は自転車による死亡事故もニュースで見るため、保険加入も必要だと思いました(0歳男の子のママ:30代主婦)」
- 「義務化と聞きすぐ入りました。皆入るべきだと感じてます(3歳男の子・11歳男の子のママ:30代主婦)」
- 「いつ事故に遭うかわからないので必要だと思う。被害者になるのはもちろん加害者になるのも怖い(10歳女の子のママ:40代パート勤務)」
- 「子供の方が事故を起こす確率が高いと思うので絶対に入っておいた方が安心だと思います(6歳女の子のママ:40代主婦)」
保険への意識が高まっていることを感じますね。
「今後の自転車保険に対する契約の意向は?」という質問では、契約意向のある割合は75%と高いものの、1年以内で加入を検討する割合は1割にとどまっています。
- 「子どもが自転車で行動するようになったら、入りたい(7歳男の子・9歳女の子・12歳男の子のママ:30代パート勤務)」
- 「あまり自転車に乗ってないので後回しになってしまっている(9歳男の子のパパ:40代会社員)」
いますぐに入る必要性を感じていない方がいる一方で、
- 「事故が起きないことに越したことはないのですが少しでも節約したいので痛い出費です(0歳男の子のママ:30代会社員)」
と、費用面で二の足を踏んでしまうという方も。
日常生活で自転車に欠かさず乗っていたり、自転車事故の状況を報道で知ることがあっても、どこか非現実的に捉えてしまい、自分自身が自転車事故に遭ってしまうという可能性は、リアルに感じにくいのかもしれません。
「自転車保険を義務化する法令の有無について」および「自身の居住地における義務化条例の有無について」を聞いてみると、義務づける自治体があることを知っている割合は約半数、そのうち自身の住んでいる自治体で義務化されているかを知っている割合は約6割となりました。
全体では、自身の住んでいる自治体で「自転車保険加入義務の有無があるかどうかを把握している」方は約3割。
7割は「自転車保険を義務化する条例があることを知らない」または「知っていても、自分の住んでいる自治体で義務化されていることを知らない」という状況となっています。
- 「自賠責と同じで義務化するべきである(4歳女の子のパパ:30代公務員)」
- 「自賠責と同じように未加入者をどうするかが今後の課題と思う(0歳女の子・7歳女の子のパパ:30代会社員)」
など、バイクや車における自賠責保険のように「必ず加入しなければならないもの」として認知されていくことが期待されているようです。
このほかにも
- 「個人賠償でサポートできているが、よく重複している人がいる。個人賠償と自転車保険を別ものだと思っている人が多い(4歳女の子・6歳女の子・8歳女の子のママ:40代会社員)」
- 「火災保険や自動車保険でカバーされる場合も多いので、保険は内容を理解して加入するのが重要だと思う (2歳男の子のママ:30代主婦)」
- 「会社によって証券や約款が届かないことがあり、信頼できるかどうかよく確認が必要(1歳女の子のパパ:30代会社員)」
- 「実は内容については詳しくないなあと気づきました。どんな場合に適用され、どんな場合は適用されないなど(5歳男の子・9歳女の子のママ:30代主婦)」
保険に関してもしっかりとした見極めが大切という意見も寄せられています。
道路交通法が徐々に改正されたりと、昔とは自転車に対する意識が変化してきている現状。免許などの必要がなく乗るためのハードルが低いながらも、死亡事故などが起きていることも認識し、保険についての意識改革をしていく必要がありそうですね。
- source:PR TIMES
- image by:Sean K/Shutterstock.com
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。