外国人が残した、幕末の面影が残る日本の美しい原風景たち

幕末の面影が残る明治時代。急激に近代化が進み、文化や習慣、食などが変化していくなかで、写真の技術も進化を遂げました。街には写真館ができ、肖像画から肖像写真へと移り変わります。

しかし、カメラはとても高価な代物で、いまのようにスマホや使い捨てカメラで気軽に撮影することは庶民にとっては難しい時代でした。

そんな明治時代後期の1908(明治41)年、ドイツで生まれたアメリカ人写真家のアーノルド・ジェンス(Arnold Genthe)氏が日本を訪れます。

約6カ月間を日本で過ごし、幕末から明治に時代が変わりながらも、どこか江戸の面影を残す街並みや人々の暮らしなどを写真におさめました。

ジェンス氏の死後、彼の作品の多くはアメリカ議会図書館に所蔵されており、貴重な日本の写真もネット上で閲覧可能となっているのです。

そこで今回はジェンス氏が写真におさめた「幕末の面影が残る日本の美しい原風景」をご紹介していきます。

江戸の香りただよう、明治時代の街並み

明治時代の街並みには、まだ江戸時代の雰囲気が残されています。道の両サイドには民家やお店などが軒を連ね、人々が暮らす姿は、令和の時代でもどこか懐かしく感じてしまう光景です。

道はまだ整備されていない様子。道の脇には用水路のようなくぼみが見えますね。

日除けでしょうか。道の上部には布のようなものがかけられています。


石と土で作られた階段。

街の様子を見てみると、まだ道が整備されていないみたいですね。

日本では1878(明治11)年に初めて「神田昌平橋」がアスファルト舗装されます。その後、1919(大正8)年に「道路法」が制定され、道路が整備されていきました。

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