東京からほど近く、温泉も自然も観光スポットも集まる「箱根」。外国人観光客も日本人観光客をも魅了する箱根には、エリア内をくまなく「箱根登山鉄道」が走っています。
「箱根登山電車」と「箱根登山ケーブルカー」を有する箱根登山鉄道は、1919年の開業以来、箱根観光には欠かせない定番の交通手段として愛されてきました。
そんな箱根登山電車に大きな試練が訪れたのは昨年2019年のこと。同年10月に東日本を襲った「令和元年東日本台風」により甚大な被害を受けました。
長らく運休を余儀なくされていましたが、2020年7月に箱根湯本〜強羅間が復旧し、すべての路線で運行が再開!そこで今回は、台風被害を乗り越えて元気に走行する箱根登山鉄道の魅力と周辺の観光スポットをご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
国内でも珍しいスイッチバック方式の電車
「箱根登山電車」は、日本では珍しい山岳電車です。山間にジグザグに張りめぐらされた路線を「スイッチバック方式」と呼ばれる定期的に車両の進行方向を変える方法で登っていきます。
箱根はご存じの通り、温泉のメッカ。トンネルを掘ることで温泉脈に影響が出ないよう、線路を敷く際にも細心の注意が払われていました。そのため急勾配を登る列車にせざるを得ず、また開通した1919年ごろの電車の力で登って行けるようにこのスイッチバック方式が取られています。
「出山信号場」「大平台駅」「上大平台信号場」の3つの駅でスイッチバックが行われ、運転士と車掌の入れ替わる様子も見ることができるのです。
人気の秘密は「車窓」からの絶景
豊かな自然のなかを走る箱根登山鉄道は、訪れる季節によって車窓からの景色ががらりと変わります。日本の四季をその目で見て感じることができるのも人気の秘密ですね。
季節に合わせてサクラやアジサイが咲き誇り、紅葉が色づき、雪で覆われる箱根の姿は言葉にできないほど美しく、日本の自然美を改めて感じられます。
初夏の風物詩「あじさい電車」
特に人気が高いのはアジサイが咲く6月下旬ごろ。雨に濡れながら色鮮やかに咲き誇るアジサイは絶景で、この季節の箱根登山電車は別名「あじさい電車」と呼ばれています。
この季節限定で、初夏の風物詩となっているのが「夜のあじさい号」。昼間も美しいのはもちろんですが、夜のあじさい号はライトアップされた路線をゆっくりと走り、電車を降りてアジサイを撮影する時間も取れる特別な観光列車です。
迫力満点!紅葉が美しい鉄橋を走る
箱根登山電車の最大の見どころともいえるのが、渓谷のにかけられた鉄橋です。1917(大正6)年に完成した「早川橋梁」は日本で最も古いものとして知られており、有形文化財にも登録されています。
その絶景をひと目見ようと多くの人が訪れることに加え、大きなカメラをもった愛好家たちの姿も見られます。
川床から約43mの高さに造られた鉄橋は迫力満点!車内から見下ろすもよし、全体が見渡せるポイントで電車が通過するようすを見るのもおすすめです。
箱根登山電車は全長約15km。箱根登山ケーブルカーを含む最後まで乗車しても、約44分ととても短い路線です。
短い路線ではあるものの観光スポットや絶景が見られる場所が詰まっているので、1日に何度も乗り降りしながら楽しむのがおすすめ。続いては、箱根鉄道の旅をより楽しくしてくれる観光スポットをご紹介しましょう。
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