秋風を感じながら走ろう!日本遺産を巡る「お茶の京都サイクリング」

800年の歴史を持つ京都府南部のお茶どころ「お茶の京都」エリア。美しい自然の中に茶畑が広がるこのエリアを自転車で楽しむ「お茶の京都サイクリングコース」があるのをご存じでしょうか?秋風を感じながら走れば、いつもとは違う風景に出合えたり、新しい発見があるかもしれませんよ。

流れ橋と両岸上津屋・浜台の浜茶を見に行こう!

image by:google map

「お茶の京都」で提案しているコースは5コース。初級から上級まであり、今回は初級編、八幡市の木津川沿いを走り、お茶の京都の魅力をコンパクトに満喫できる「日本遺産 流れ橋と 両岸上津屋・浜台の浜茶をめぐるコース」にチャレンジしてきました!

本来のスタートは城陽市側の「桜づつみ寺田緑地」なのですが、今回は自転車を借りるため京阪電車・石清水八幡宮駅からスタート。駅前の観光協会で自転車を借り、八幡周遊サイクリングマップを手に入れたら出発です!

日本遺産 流れ橋と 両岸上津屋・浜台の浜茶をめぐるコース 全コースMAP

まずは駅を出て木津川へ。「御幸橋」と書かれたクラシックな橋を渡らずに右へ進みます。川沿いにサイクリングロードがあるのですが、ロードレースの練習をしている人も結構いるので走行には気を付けてくださいね。

やがて現れるのが京阪電車の鉄橋。この鉄橋の下のトンネルをくぐります。でも、このトンネル、狭くて見通しが悪いので対向車に気を付けて!それにしても、この赤いトラスの橋、カッコいいですよね!こんなに間近で見られます。

ここからは広い川を眺めながらスイスイ走れます。結構、川風が強いのでウィンドブレーカーなど羽織ものを持っていくのがおすすめ。しばらく行くと木津大橋が見えてきます。橋を超えるために一度、河原に降り橋の下をくぐって、もとのサイクリングロードへ。

上津屋の浜茶

しばらくすると突如、河川敷に茶畑が!!茶畑って山や平地にあるものとばかり思っていたので、この光景はびっくり!!

これこそがお茶の京都が誇る、浜茶(はまちゃ)の茶畑です。この辺りは抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)を栽培してきた地。山間部で栽培されるお茶を「山茶」と呼ぶのに対して、水辺の砂地で栽培されるお茶は「浜茶」と呼ばれ、品質が良く、松のような濃い緑をした独特のお茶になるのだとか。

また二重に覆下して育てることで苦味や渋みがなく、甘く優しい味になるのだそうです。河原に広がる茶畑は山のそれとはまた違う、すばらしい眺め!


時代劇にも登場する「流れ橋」

興奮さめやらぬままペダルをこぐと茶畑の向こうにこの旅の第2のメイン、流れ橋(上津屋橋)が遠くに見えてきました!

時代劇のロケ地としてもよく使われているので、「この景色、見たことある!」というかたも多いのではないでしょうか。長さは356.5m、日本最長級の木橋です。

この橋は最初から流れることを想定して作っているので、橋桁を橋脚に固定していません。増水すると橋桁と橋板がそのまま水に浮かんで流される仕組みになっているのです。だから流れ橋とよばれているんですね。

ちなみにこの橋、昭和28年に作られて以来、今までに23回流れているのだとか。最近では昨年10月の台風19号の影響で流され、今年(令和2年)4月に開通したんですって。

そして、この流れ橋と浜茶の茶畑が広がる美しい景色は高品質碾茶(てんちゃ)の産地「流れ橋と両岸上津屋・浜台の『浜茶』」として文化庁認定の日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」になっています。

もちろん渡ることもできます。自転車は走行できませんが押して渡ることは可能。でも橋のたもとに休憩スポットがあり、自転車スタンドもあるので駐輪し、歩いて渡ることにしました。

水がとってもきれい!欄干がないので不思議な感じ。思ったより橋幅は広いです。

木津川沿いの遊歩道「桜づつみ寺田緑地」

橋を渡り切り対岸を右に進んだ辺りが本来のスタート地点、桜づつみ寺田緑地。木津川沿いに続くキレイな遊歩道でベンチなども整っているのでお弁当を食べたり散策が楽しめます。なんといっておすすめは桜の時期。来年の春が待ち遠しい~。

やわた流れ橋交流プラザ 四季彩館

さて自転車をピックアップしたら、続いてはやわた流れ橋交流プラザ 四季彩館へ。こちらには地元の新鮮野菜を販売するJA農産物直売所に加え宿泊・入浴施設やレストラン・八幡家があるので、本日はこちらでお昼をいただきます。

料理は地元の農家から届く安全で安心な新鮮野菜をたくさん使った、身体に優しく美味しいおばんざいがメイン。ランチはビュッフェスタイル。

大人は1,800円で、おばんざいのほかにシチューやピザ、デザートにこだわりコーヒーまでいただけるので、これはかなりお得!

おすすめは国産豚ロースの酒しゃぶ。ご近所の農家さん手作りのゆずこしょうを添えていただきます。テイクアウトできるお弁当もあるので、流れ橋を見ながら外で食べるのもいいですね(お酒は煮切ってあるので安心を)。

山城地域の交通の要所「山城大橋」

さて、お腹がいっぱいになったところで、山城地域の交通の要所・山城大橋へ。かつてここには「草内の渡し」と呼ばれる帆掛け船があり、木津川の東西を結ぶ主要な交通路でした。市内に最後まで残る渡しでしたが、昭和39年4月に山城大橋ができ終了したのだとか。

橋を城陽側へ渡り、元の桜づつみ寺田緑地へ戻るのですが、京阪の石清水八幡宮駅からスタートしているので、ここまででかなりの距離を走ることに。

八幡市駅から流れ橋までの距離は約5km。走行時間は30分ほどですが、流れ橋から山城大橋までの距離は約8km。体力に自身のないかたは山城大橋まで行かず、流れ橋から石清水八幡宮駅へ戻るのもおすすめです。

いかがでしたでしょう?もうまもなく、紅葉も見ごろを迎える時期です。秋風を感じながら、京都で自転車旅をしてみませんか?

【おすすめアプリ】
「『日本茶800年の歴史散歩』~京都・山城~を巡るサイクリングマップ」

スマートフォンで位置情報を確認しながらサイクリングが楽しめる便利なアプリです。位置情報だけでなく歴史的な文化財や宇治茶、抹茶スイーツなどグルメ情報も満載。

さらに宇治橋など日本遺産を中心とした12箇所の指定ポイントを回り6カ所以上のスタンプをゲットすると景品がもらえるスタンプラリーも開催中。ぜひダウンロードしてチャレンジしてはいかがですか。
開催期間:2020年10月1日(木)~2020年11月30日(月)

■■INFORMATION■■
やわた流れ橋交流プラザ 四季彩館
八幡家

住所:京都府八幡市上津屋里垣内56-1 流れ橋交流プラザ四季彩館内
TEL:075-983-7789

  • source:KYOTO SIDE
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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