住居や城壁としてはもちろんのこと、戦いの防御や栄華を極めた者の証として、それぞれに趣向を凝らした姿を残している「日本の城」。
崩れ落ちたものから、いまも当時の姿を残すものまで、一体どのお城が人気を集めているのでしょうか。
今回、旅に関する口コミやスポット情報を取り扱うトリップアドバイザーが、過去1年間投稿された口コミから集計し「旅好きが選ぶ!日本人に人気の日本の城ランキング2020」を発表しました。
個性があふれるお城の魅力について何が人気を呼んでいるのか、早速チェックしてみましょう。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
石垣、城壁、天守閣…頂点に立った者たちが作り出した圧倒的な世界へ
第10位 中城城跡/沖縄県北中城村
東西に東シナ海と太平洋を拝むことができる標高150~170mの丘陵に建っていた琉球王国の中城城(なかぐすくじょう)の跡地である「中城城跡」。
14~15世紀のものとみられ、琉球石灰岩で造られた美しい城壁がいまも残り、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコ世界遺産に登録されています。
沖縄県内にある跡地のなかでも最も当時の状態を残しているといわれ、約450年の統治を行った琉球王国の栄光を垣間見ることができます。
野面積み・布積み・相方積みといった3種の石積み方法を一挙に見ることができる石垣など、その見事さで「日本100名城」にも選出されました。
口コミでは「本土のものとは趣が違い、地形や自然の岩を取り込んだ優れた城跡」「どこも見晴らしが良く癒されます」「正殿跡や門の跡、井戸など見所が満載」「中国風の石の門のカーブが美しく、絵に描いたような風景が撮れる」と、この地ならではの文化がそこかしこに残る遺跡への感動コメントが集まっています。
第9位 熊本城/熊本県熊本市
室町時代に築かれ、加藤清正による戦国・安土桃山時代から江戸時代を経て、果ては明治時代の西南戦争の舞台となるなど、時代の局面で重要人物たちが足跡を残していった「熊本城」。城跡は国の特別史跡、内部の13棟が重要文化財に指定されています。
時を経るなかでさまざまな場所が焼け落ちたり崩落したりと傷を負うなか、都度丁寧な修復作業が行われ、いまも江戸時代の風格を留めている見事な城に。
天守閣の内部は博物館となっていたり、春は見事な桜が咲き乱れ「日本さくら名所100選」にも選出されています。
口コミでは「とにかく素晴らしい。圧巻とはこのことをいう」「加藤清正ならではといわれる見事な石垣に囲まれた素晴らしい城」「遠くからでも立派な姿を楽しめる」「お城から大きなパワーをもらった」「堂々とした佇まいに心打たれる」と、日本の城らしさあふれる風格に感銘を受けたという声が集まりました。
第8位 首里城/沖縄県那覇市
琉球王朝時代の沖縄で最大級の城であり、現在は国営沖縄記念公園の一部として、県内トップクラスの観光スポットとなっている「首里城」。琉球王国の文化を体現するような、華やかな朱色の姿は圧巻。沖縄のシンボルともいえる存在です。
しかし、2019年に発生した大規模火災で、その大部分が消失するという悲劇に見舞われました。
展示されていた相当数の文化財なども被害を受け、甚大な損害を被りながらも、修復に向けて懸命な努力が行われています。
口コミでは「焼け落ちた正殿は土台部分のみ残っていました」「全焼跡だけが残ってるのを間近で見て悲しく感じた」「焼け跡から礎を見ることができるのでむしろ貴重なタイミングなのかもしれません」「素晴らしい石組と規模に圧倒される」「いまだからこそ行くべきです」と、失われた姿に悲しみを感じながらも、いましか見ることのできないであろう光景にも賛辞が贈られています。