その季節感、繊細すぎる。七十二候を和菓子で表現・書籍「IKKOAN」

日本の誇るべき文化のひとつである「和菓子」が、今厳しい状況に置かれています。 代々続く和菓子店でも後継者不足で店を閉めざるをえないところがあり、またとある製菓学校では和菓子部門の募集人数が洋菓子部門の4分の1ほどしかないというケースも。和食がユネスコの世界文化遺産化に認定されましたが、和菓子にまで目が向いていないというのが現状です。そんな和菓子の良さを世界に向けて発信する書籍「IKKOAN」が、クラウドファンディングを使って出版されます。

日本古来の「72の季節」を表現

ところで季節と言うと、春・夏・秋・冬の四季しか思いつかないかもしれません。ところが実は、日本には古来から存在する季節があるのをご存知でしょうか? その数なんと72種類。

春夏秋冬が四季。立春や夏至、秋分、冬至、大寒など1年を24等分して季節の変わり目を表したものが二十四節気。そこから更に細かく5日ずつ分けて72の季節の変わり目を表現したものが、七十二候(しちじゅうにこう)です。

例えばこれからの季節、12月12日は「熊蟄穴(読み:くまあなにこもる 意味:熊が冬眠のために穴に隠れる)」、12月22日は「乃東生(読み:なつかれくさしょうず 意味:夏枯草が芽を出す)」といったように季節を表します。古代中国でつくられた表現ですが、日本の気候風土に合うように、何度か改訂されています。

この度発売される書籍「IKKOAN」では、これら72の季節を表現した和菓子を美しい写真とともに、日仏英の3ヶ国語で紹介します。小さな和菓子の中に凝縮された美しい季節の移ろいは、日本人ならではの敏感な感受性と繊細な職人の腕でこそ表現されます。

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