自然が生み出す絶景のなかには、オーロラや流星群、水鏡などタイミングが良くなければ出会えないものが数多くあります。訪れてみても見られるかどうかは分からない、そんな不安定な存在であるにも関わらず、圧倒的なスケールの大きさで私たちを魅了する自然の絶景。
今回の主役は「滝雲(たきぐも)」です。大空を流れる雲は世界中どこででも見られるものですが、一定の条件のもとでは心が震えるほど美しい景色を作り出します。
そんな滝雲で有名なのが、新潟県魚沼市にある「枝折峠(しおりとうげ)」です。早速、ご紹介していきましょう。
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絶景中の絶景「滝雲」とは?
空に浮かぶ雲。日常的に何気なく眺めている雲ですが、場所や気象条件が整うと信じられないほどの絶景を生み出します。そのひとつが「雲海」。
標高の高い場所から見下ろすと、分厚い雲が海のように一面を覆い尽くす雲海は、日本中に鑑賞できるスポットがあり、旅の目的になることも多い絶景です。その雲海の一歩先、さらに珍しい絶景が「滝雲」です。
滝雲とは、雲海を作り出す雲が山の尾根を乗り越え、風に乗り流れるように谷へと流れ落ちる様子のことを指します。高いところから低いところへと流れる姿や、ゆったり緩やかに動くそのようすが水の滝をイメージさせるため、滝雲と名付けられていることが想像できます。
雲海だけではない、ほどよい風の力も必要とするのが滝雲の特徴。真っ白な雲がいくつも筋のようになって流れていく様子は、息を呑む美しさです。雲海よりもさらに見るのが難しい自然現象といえるでしょう。
滝雲で有名な「枝折峠」
雲海は発生するスポットは全国にいくつかありますが、雲海にプラスで滝雲を見てみたいのなら「枝折峠」がベストスポットです。ここしかない!といってしまっても過言ではないほど、滝雲の発生する場所は限られています。
枝折峠は滝雲でその名を知られるほどの名スポット。出会える保証のない、しかし美しい絶景を求めてたくさんの人々が訪れます。
枝折峠があるのは新潟県魚沼市です。日本有数の米どころである魚沼市は周囲を山に囲まれた盆地で、高い山があるからこそ雲海や滝雲が発生しやすい場所でもあります。新潟県内は魚沼市以外にも盆地が多くあり、所々に雲海スポットが散らばっています。
枝折峠は魚沼市を走る国道352号線にあり、標高は約1,065m。周囲は緑に囲まれ、紅葉の時期には一面赤色に染まる眺望抜群の美しい峠道です。越後駒ヶ岳の登山口があり、毎年秋になると多くの登山者が訪れます。
雲海・滝雲が発生する条件とは?
神秘的な絶景である雲海、そして滝雲が発生するにはさまざまな自然条件が整わなければいけません。
見られるか見られないかは当日まで本当に分からない…と理解しているものの、少しでも発生する可能性のある日に足を運びたいですよね。そこで大事なのは雲海と滝雲の発生する条件を知っておくことです。
雲海の発生条件は主に以下の4つ。
- 昼と夜の気温差が激しい時期
- 早朝の天気が良いこと
- 強い風がないこと
- 湿度が高いこと
上の4つに加えて、滝雲の場合は雲が流れるための弱い大気の動きが必要です。風が強すぎると雲が散ってしまい雲海は発生せず、風がなさすぎると滝雲にはなりません。
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