マスクは義務化?コロナ禍のアメリカ西海岸で見た、現地のリアル

image by:シカマアキ

都市部で店舗の休業・閉店、ホームレス激増で治安悪化も

シアトルの人気観光地「パイクプレイス・マーケット」(2014年7月)image by:f11photo/Shutterstock.com

今回シアトルの中心部を歩いて感じたのが、店舗の休業や閉店です。2018年の年末に訪れた時と比べるとシャッターが閉まっていたり「CLOSED」の張り紙が貼ってあったりする店舗がとても多くありました。

小さな商店やレストランだけでなく、スターバックスマクドナルド軒並み閉店。あれだけ多かった海外、特にアジア圏からの観光客がまったく来なくなったこと、オフィスでテレワークが増えたことなど、新型コロナの影響で間違いないでしょう。

人出の少ない街角(2021年9月)image by:シカマアキ

その一方で、寂しくなった路地に、ホームレスの多さが目に付きました。もともとシアトルの中心部でホームレスを見かけることはあったものの、その数が以前よりも明らかに増えているよう。

47ニュースによると、新型コロナが勢いを増した2020年時点で、確認されているだけでも全米15カ所のホームレスの支援施設が一時閉鎖に追い込まれたといいます。また閉鎖せずとも密を避けるため、都市部の支援施設は収容人数を10〜40%ほど削減することに。

新型コロナにより職を失いホームレスとならざるを得なかった人々も増え、さらにコロナ禍でステイホームが叫ばれるなかで支援施設も失った結果、居場所がどこにもない状態となってしまったのです。

道路にはゴミが散乱し、壁沿いにはテントがずらりと並び、店舗の閉まったシャッターには落書き、ガラスの窓に銃の痕。日中でも危険を感じたので、遠めに見かけてすぐにその場を離れました。

LAのダウンタウン中心部「Central City East」の様子(2020年9月時点)image by:Eric Glenn/Shutterstock.com

次に訪れたロサンゼルスでも同様。以前よく行っていたスーパーの入口にもホームレスが多くいたため、別の治安がいいエリアのスーパーに行き先を変更することに。

ロサンゼルスでは現在、コロナ対策で路線バス(一部)や地下鉄が無料化されている一方、地下鉄の車内がホームレスの家と化している話も聞きました。

新型コロナでの大量失業は、アメリカに限らない話。観光地の街歩きはどこも今後しばらく重々気を付けなければいけないと感じます。


アメリカ国内線は需要ほぼコロナ前並み、空港が人で混雑

image by:Sasima/Shutterstock.com

世界でいち早く「ウィズコロナ」を打ち出したアメリカでは、移動規制がほぼない国内旅行がすでに盛ん。アメリカ国内での移動の足は飛行機がメインであり、国内線の便数はすでに新型コロナ前の水準に戻り、「運航乗務員が足らないので欠航」という便も軒並み発生しています。

航空会社は当初、新型コロナの便数激減で従業員を大量解雇し、その反動でいま大量採用へと踏み切っていますが、需要と供給が追いついていません。

image by:シカマアキ

空港のカウンターも保安検査場も長蛇の列で、ショップやレストランも人で賑にぎっていました。

ちょっと違うことといえば、ターミナル内の全員がマスクを着用していること、また「スタッフ不足」でスターバックスが閉まっていたり、航空会社のラウンジが営業短縮していたりと、「すでにアフターコロナなのでは」という状況。運賃も値上がりし、搭乗した便は満席でした。

Page: 1 2 3

TRiP EDiTOR編集部 :TRiP EDiTORは、「旅と人生をもっと楽しく編集できる」をコンセプトに、旅のプロが語りつくす新しい旅行メディアです。