世界的な航空機メーカー「ボーイング」は、アメリカ・シアトルが発祥の地。いまもシアトルおよびその郊外の工場などで航空機が日々製造され、世界中の空を飛んでいます。
そんなボーイングのこれまで歩んできた歴史がわかる、多くの飛行機が展示されているのが、シアトルにある「The Museum of Flight」(航空博物館)です。
同施設は1965(昭和40)年に設立された、世界最大の民間航空宇宙博物館。
世界初飛行で知られるライト兄弟の飛行機、アメリカ大統領専用機「エアフォースワン」初号機、超音速旅客機「コンコルド」など150機以上の飛行機が所狭しと展示されており、ミュージアムショップやカフェも併設。
1日ではとても回り切れないほどの展示数で、航空ファンだけでなく一般の観光客にも人気の航空博物館。今回はその見どころやアクセス方法などを、飛行機に詳しく現地を訪れたことのある筆者が、ピックアップして紹介します。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
6つのエリア、「グレートギャラリー」飛行機展示40機以上!
ボーイングの歴史は1916(大正5)年、ウィリアム・E・ボーイングと米海軍技師ジョージ・コンラッド・ウエスターバレットが、シアトルに「B&W」を設立し、飛行機を製造したことが始まり。
その後、二度の世界大戦などを経て、旅客機と軍用機などを次々と生産して事業を拡大し、世界最大の航空機メーカーとしての地位を確立しました。
今回紹介する「The Museum of Flight」は、大きく分けて6つのエリアで構成されています。
メインである「T.A.Wilson グレートギャラリー」は、ビル7階分に相当する高さの吹き抜け構造。
ボーイング初剛毅の訓練用水上機「B&Wブルービル」(1966 <昭和41>年に復元された模型)や大型偵察機「ロッキードM-21ブラックバード」、取り外し可能な翼とプロペラを備えた自動車“空飛ぶ飛行機”「aerocar」など、どれも貴重なものばかり。ライト兄弟が世界初の動体飛行に成功した「フライヤー」の復元機もあります。
航空機40機以上を展示する様子は、ただただ壮観。なかにはベトナム戦争に関する展示も設けられています。
「The Museum of Flight」がある大通り、East Marginal Way S.から見える赤壁の建物「レッド・バーン」は、ボーイング創業当時の社屋がここに移築されて復元、1983(昭和58)年に一般公開されました。
内部は見学施設になっていて、航空機の誕生からボーイングがこれまで歩んできた歴史や木製の航空機が、写真や映像も交えて展示されています。ボーイングについて知りたければ、まずここから見学するのも良いでしょう。
航空博物館は、「キング郡国際空港」(ボーイング・フィールド)に隣接しています。タイミングがよければ、館内および野外から離発着する飛行機を眺めることができます。
貴重な「747」初号機も!さらに「コンコルド」では機内見学まで
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