カツカレー熱愛女子が教える「きっとハマる!大阪市内の激ウマ名店」たち

1年で200皿以上のカツカレーを食べる!

―メイドインアリサさんがInstagramで開設しているアカウント「カツカレー図鑑」には、膨大な数のカツカレーがアップされていて壮観です。「カツカレー図鑑」はいつからお始めになったのですか。

メイドインアリサ(以下、アリサ):2021年の2月末からです。デザイナーをしている友だちがロゴをつくってくれて。それでいきなりメジャーっぽくなったんです。

キャップにも「カツカレー図鑑」のロゴが。「デザイナーの友人がロゴを作ってくれた」という。image by:吉村智樹

―アップされているカツカレーが「メイドインアリサ公認店」という感じですね。

アリサ謎の“公式感”があるでしょ。「なんの公式やねん」っていう(笑)。

難波「プコ家」の「ばらカツカレー」。豚を揚げる前に茹でているのだそう。image by:メイドインアリサ
中津「アイリッシュカレー」の「日替わり豚ロースカツカレー」。毎日必ずあるわけではないメニューなのでお宝感あり。image by:メイドインアリサ
肥後橋「かつかつカレー888」のカツカレー。銀皿が凛々しい。image by:メイドインアリサ
西天満のカツカレー専門店「ペペ」。一日の営業はわずか2時間。目玉焼きはテンションが上がる。image by:メイドインアリサ

―しかもSNSだけではなくミニコミまで発行していて、カツカレー愛の強さに頭が下がります。カツカレーしか載っていない出版物って初めて見ました。

アリサ「カツカレーだけを集めた本ってないな」と思って。自分でカッターナイフで裁断して、自分で綴じているんです。

―なんという手間のかかりかた。本気で好きでないとできないですよ。Instagramの「カツカレー図鑑」には何皿アップされていますか?

アリサ:現在は50軒ぶんほど。食べたけれどもまだ載せていないお店を合わせると100軒くらいですね。気にいったお店へは何回も通うので、食べた皿数だと200を超えるかな。連食する場合もありますよ。昼、夜、翌日と3連チャンでカツカレーとか。

3食連続でカツカレーを食べるケースも少なくないという。image by:メイドインアリサ

―1年たたないうちにカツカレーを200皿以上! そんなに食べてらっしゃるのですか。しかもまだアップしていないお店が待機しているのだなんて。

アリサ:いいお店ほど、なかなか載せられないんです。その店のカツカレーの味を思いだすと、よすぎて胸が苦しくなる幸せすぎて、文章を書くのがしんどいんです。なので、どうしても遅くなっちゃいますね。

西大橋「Cafe 婆沙羅かえる堂」のカツカレー。カレーソースが濃厚。仕込みに100時間を費やすという。image by:メイドインアリサ
同じく西大橋「カリー屋 玄」(※正しくはカリーが漢字表記)の「2色とんかつカレー」。前菜3種にトマトジュースがついてくる。image by:メイドインアリサ
日本橋「ニューダルニー」の素朴なカツカレー。image by:メイドインアリサ

―失礼ながら、カツカレーばかり食べて、飽きないですか。

アリサぜんぜん飽きないです。「こんなに飽きない食べ物があるんや」と自分でも驚いています。お店によって味が違いすぎる。毎回、新しい料理を食べている感覚です

「父の急死」で食べ物が喉を通らず…

1年足らずでカツカレー200皿を食べても「ぜんぜん飽きない」というが、そのきっかけは?image by:吉村智樹

―もともとカツカレーがお好きだったのですか。

アリサ:いやあ、正直にいって2021年の1月まで「好きでも嫌いでもない食べ物」でした。サービスエリアや遊園地などメニューの選択肢があまりない場所では食べていましたけれど。わざわざ「カツカレーを食べに行くぞ!」と考えた日は一日もなかったですね。

―「2021年の1月にカツカレーを好きになった」とは、なにがきっかけだったのですか。

アリサ:きっかけは……その年の1月、父親が急に亡くなりまして

―え!

アリサ:57歳という若さで他界しまして。すごく仲がよくて、大好きな父親でした。ショックすぎて、ごはんが喉を通らなくなったんです。

―そんなできごとがあったのですか……。

アリサ:うちは母がすでにおらず、父と三姉妹だけの家族だったんです。それもあって父との別れが本当に悲しくて。けれどもコロナ禍でお通夜ができず、お葬式もすぐにはあげられませんでした。

亡くなって一週間後にやっと父の遺体と会えたんです。三姉妹とも、それまでの一週間はなにも食べられない状況でした。「このままでは身体を壊してしまう」と、無理に食べ物を胃に入れるのですが、味がしなくて。

父親が急死し、ショックで食べ物が喉を通らなくなった。image by:吉村智樹

―なんと申しあげてよいか……。質問を続けるのが心苦しいのですが、カツカレーとはどこで出会うのですか。

アリサ:お葬式って、火葬するために1、2時間、空くでしょう。やっと父の顔を見ることができてホッとして、ちょっとだけお腹がすいてきたんです。それで「なにか食べよう」と。たまたま火葬場の近くにチェーン店のとんかつ屋さんがあって、姉妹でそこへ行きました。

―一週間、食べ物が喉を通らない状況で、いきなりのとんかつはハードですね。

アリサ:とんかつのチェーン店以外に周囲に飲食店がなくて。でも、どうしてもお箸を持つ気になれず。とんかつ定食やカツ丼は、やっぱり無理でしたね。

―そうですよね。あとで別の理由でお箸を持つことになりますものね。

アリサ:それで、スプーンで食べられるカツカレーを選んだんです。すると、「なにこれ!?」って驚いて。まず、お米がおいしい。そしてカレールー(カレーソース)がおいしくて、カツがおいしい。

「カツカレー、めちゃめちゃおいしいな!」って感動したんです。それからですね、カツカレーがあるお店を巡り始めたのは。

―きっと、お亡くなりになったお父様がアリサさんたちを元気づけるためにカツカレーへと導いたのですよ。もしかしたら、お父様はカツカレーが大好物だったとか。

アリサ:まったくないです(笑)。父はカツカレーをぜんぜん食べていなかったですね。そこまで「ええ話」やったらよかったんですけれど。

Page: 1 2 3 4

TRiP EDiTOR編集部 :TRiP EDiTORは、「旅と人生をもっと楽しく編集できる」をコンセプトに、旅のプロが語りつくす新しい旅行メディアです。