愛知県の観光スポットといえば「名古屋城」や「犬山城」など、歴史的に重要な施設に加えて「レゴランド・ジャパン」や「名古屋港水族館」なども人気を集めていますよね。
実は、王道ともいえる観光スポットのほかにも隠れたスポットが愛知県にはあることをご存じでしたか?
それが風光明媚な山の中にあるお寺かと思いきや、目を疑うような光景が広がっている「五色園(ごしきえん)」です。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
不思議な景色が広がる「五色園」とは?
五色園は、愛知県の中心名古屋市から地下鉄とバスを乗り継いで、約1時間ほどの愛知県日進市にあります。学生の街として知られる日進市、周辺はおしゃれなカフェやレストランがたくさん。そんなにぎやかな町外れ、広大な山の中に佇むのが五色園です。
1934(昭和9)年に約20万坪の土地を購入した森夢幻という、後の大安寺初代住職となるかたが宗教公園として整備したのが五色園の始まり。
約20万坪というと、ちょうど京都御所と同じくらいの大きさ。東京ドームが約1万4,000坪なのでおよそ14個分の広さとなります。簡単には想像できないくらいの広さを持つお寺兼テーマパークというわけですね。
広大な五色園には桜や楓の木が植えられており、お花見や紅葉スポットとしても知られています。
一体なぜ?園内にあるいくつもの塑像
五色園は入場無料、徒歩でも車でも訪れることができます。無人のエントランスをくぐって道なりに進んでいくと突然目の前に現れるのが色彩豊かな塑像(そぞう)たち!
近くから見ても人と見間違えるような大きさ、かつ精巧さの人形だと思ってしまいますが、こちらは土でつくられた塑像です。
塑像のことを知らず五色園へ足を踏み入れてしまうと「何これ!?」と思わず口に出してしまうことでしょう。それほどインパクトのある光景が広がっています。
塑像たちは目立つ場所に固まっているものもいれば、自然に溶け込んで気づきにくいものまでさまざま。散策していて初めて塑像がそこにあることに気がつくことも少なくありません。
園内には、およそ100体もの塑像が散りばめられていますがそのどれもが異なる表情、異なる形をしています。では、一体誰が何のために作ったのでしょうか?
塑像は仏教の教えを表している
五色園の塑像たちの前には、それぞれについての看板が立てられています。この看板を見てみると、この塑像たちが一体何を表しているのかが分かる仕組みになっているわけですね。
実は五色園、浄土真宗の開祖である親鸞(しんらん)の教えを視覚的に分かりやすく解説するために作られた場所。浄土真宗を目で見て、体験して学ぶためのテーマパークなのです。
親鸞はいまから約800年前に生まれ、9歳で出家。20年に渡り比叡山で修行を積まれたのち、下山し浄土宗の開祖である法然に教えを乞います。
法然の元で研さんを積みますが、その後法然とともに流刑に処され、流刑が開けた後、布教活動に勤しみ教えを説きながら日本をあちこちめぐられます。その親鸞の生涯に渡る逸話や教えを塑像という目で見て触れられる形になっているのが五色園です。
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