広大な中国には、スケールの大きな自然を残す場所が数多くあります。大きな国土のなか、世界遺産に登録されているのは56カ所(2022年12月時点)。絵画や掛け軸かと思うような壮大なスケールの自然に圧倒される体験をしたいのなら、中国の絶景は見逃せません。
今回は、雲南省にある写真でも楽しめる絶景「元陽の棚田」をご紹介します。見渡す限り一面に広がる棚田と自然のコラボレーションが織りなす異空間の世界が広がっていますよ。
目次
- 1通称「雲の梯子」は驚きの美しさ
- 2緩やかな弧を描く形が特徴的
- 3「元陽の棚田」めぐり
- 4元陽の棚田の見どころは?
- 5昆明市から「元陽の棚田」へのアクセス
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通称「雲の梯子」は驚きの美しさ
「雲の梯子(はしご)」という美しい異名を持つ「元陽の棚田」。その通称の通り、雲の上に繋がるかのような大きな大きな棚田が広がっています。
日本にも棚田の美しい場所はいくつもありますが、「元陽の棚田」は圧巻の迫力!目に入る景色すべてが棚田という広さです。
写真を見るだけでは、この場所が本当に地球上に存在しているのか、と疑いたくなってしまうほど美しい中国の誇る世界遺産です。
5,000段といわれている棚田に水が張られ、薄い水色の空を映し出す姿は絶景の一言。この絶景を求めて中国国内はもちろん、世界各国から多くの観光客が足を運びます。
ミャンマーとの国境に位置する元陽は山岳地帯。この山岳地帯のあちこちに大きな棚田が作られており、そのすべてが「元陽の棚田」として世界遺産に登録されています。
棚田の総面積はなんと東京ドーム約3,500個分、1,6万ヘクタールという想像するのも難しい大きさ。険しい山岳地帯を切り開き、このような美しい棚田を生み出したのは少数民族のハニ族です。
標高1,500m以上の山岳地帯に住むハニ族は、なんと1300年以上をかけこの棚田を生み出しました。現在ももちろんこの棚田を使った農業が生活の基盤となっています。実用的で美しく、長い歴史を刻んできたのですね。
緩やかな弧を描く形が特徴的
「元陽の棚田」は写真を見ても分かる通り、一つひとつの水田が緩やかな弧を描くように丸みを帯びています。日本の棚田の多くは直線的に仕切られているので、同じ棚田であっても作り出す景色や印象が異なります。
直線的な棚田よりも、海岸に寄せる波のようにも見えませんか?人工的に作られているにも関わらず、見事に自然に溶け込んでいます。
すべての棚田に水が張られるベストシーズンは例年2月〜3月ごろ。運良く風のない日に訪れることができれば、見渡す限りの水面に空が映り込む鏡の世界を体験することができます。
「元陽の棚田」めぐり
「元陽の棚田」めぐりをするには、入場料が必要となっています。大人100元(約1,960円)、子どもは50元(約980円)の入場チケットで、棚田のあるエリアを自由に出入りできるほか、整備された展望台の利用もできます(2022年12月時点)。チケットは「ハニ棚田文化展示センター」で購入可能です。
棚田は広範囲に渡るので、タクシーをチャーターするのがおすすめ。タクシーであれば効率よく見どころをめぐることができます。
観光バスや乗合バスもあるにはあるようですが、時刻表などの情報が少なく旅行者には不便です。タクシーは半日の貸し切りで150元(約2,900円)ほど。ひとり旅でないのならかなりお安いですね。
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