国によって星座の見え方は違うの?「夜空」がもっと好きになる雑学

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昔は星座づくりが大ブームだった?

冬の夜にみえる「おおいぬ座」image by:photoAC

北斗七星を尻尾に持つおおぐま座、ペデルギウスやリゲルなどを持つオリオン座などは有名な星にあげられます。そして星占いにでてくる星座あたりが、誰でも知る星座の名前ではないでしょうか。

星座の早見表にはたくさんの星座が描かれているので、細かくは知らないし覚えきれないといった感じかもしれません。

そもそも星座とは、一体いくつ存在するのでしょうか。結論からいうと「88座」です。その理由は、1928年に国際的な会議(国際天文学連合)で天文学者がそう決めたからですね。

いってしまえば、人間があとからつくり上げた世界です。ルールなど本来はないはず。しかし、星座と星座の境界線を決めて、1930年に正式な星図がつくられました。それ以来、「正式な」88座が世界の共通見解になっていきました。とはいえ、その歴史はまだ100年もたっていません。

「オリオン座」の南にある「うさぎ座」image by:photoAC

20世紀の初めまでは、星座が自由につくれたと『小学館の図鑑NEO星と星座』にも書かれています。むしろ、17~19世紀には星座づくりがブームとなって、夜空に120個の星座がひしめいていたのだとか。

いまでは聞き覚えのないユニークな星座がいくつも存在していて、例えば「気球座」だとか、「ねこ座」だとか、「でんききかい座」だとか、「ジョージ王の竪琴座」だとか。

この「気球座」は、1782年にモンゴルフィエ兄弟という気球発明者が熱気球の初飛行を実現した記念に、フランスの天文学者がつくったそう。

<世界初の有人気球飛行に成功した。兄弟の気球は学界でも関心を呼び,1783年,ジョセフは科学アカデミーの会員,ジャックは国立研究所通信会員にそれぞれ選ばれた>(『ブリタニカ国際大百科事典』より引用)

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現代の感覚でいえば、大谷翔平選手が前人未到の記録を野球界で打ち立てた記念に「二刀流」の姿を描いた「野球座」がつくられるといった感じでしょうか。

確かにその自由さを許してしまえば、そのうち無秩序になってしまいますが、かつてあった自由さは自由さで楽しそうですね。

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