国によって星座の見え方は違うの?「夜空」がもっと好きになる雑学

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2022/10/29

「上弦の月」と「下弦の月」の見分け方

「上弦の月」image by:Shutterstock.com

おなじ「夜空」繋がりで、少し「」についてもご紹介します。『鬼滅の刃』の空前の大ヒットを記録しましたよね。普段は漫画やアニメを見ない人も、あまりにも話題になっているために、劇場版を観に行った人も少なくないと思います。

その映画には、「上弦の鬼」と「下弦の鬼」が登場しました。上弦の鬼・猗窩座(あかざ)の強さに、途方に暮れてしまった人もいたかもしれません。

上弦の鬼の登場の前には、下弦の鬼も出てきました。そもそも論なのですが、「上弦」と「下弦」という言葉、どういう意味かご存じですか?

「下弦の月が 謡う永遠に続く愛を」

と、柴咲コウさんが『月のしずく』で歌っていた印象もありますね。月の満ち欠けである点には間違いがないですが、下弦とはなんなのでしょうか。辞書を調べると、

<満月から次の新月に至る間の半月>(岩波書店『広辞苑』より引用)

とあります。1カ月のなかでもそこそこ長い期間下弦の状態で月は夜空に浮かんでいると分かります。

<弦を下にして月の入となる>(同上)

ともあります。

「下弦の月」image by:Shutterstock.com

弦とは、漢字辞典を調べると「弓」+「玄」で、「玄」とは「一線を引いた上に細い糸の端が見ている状態」を意味すると分かります。

その「玄」が「弓」と合わさると、弓に見られる細い糸、弓のつるといった意味になりました。つるを張った弓の形が「D」だとすれば、曲がった弓の柄(握り)ではなく、その弓の柄(握り)に張った直線のつるの部分を弦と呼びます。

下弦の月とは、このピンと張った弦を下にして月が沈んでいく状態をいいます。


上弦の月とは逆に、ピンと張った弦を上にしたまま、言い換えれば弓の柄(握り)の曲線から月が沈んでいく状態。星よりも月はもっと身近な存在だと思います。知っておいて、損はなさそうですね。

織姫と彦星は週1で会えるはずだった

「天の川」image by:photoAC

最後は「七夕」についてです。月なども夜空を眺める大きな楽しみのひとつだと思いますが、日本人には七夕も有名ですよね。

もともと中国から伝わってきた伝統が、日本古来の習俗に結び付いて、現代の形になったといわれています。織姫と彦星は年に1回、7月7日にしか会えないという有名なエピソードは、そのオリジナルである中国での伝説が由来しています。

そもそも織姫と彦星が年に1回しか会えなくなった理由は、恋によって仕事が滞るようになった織姫を、彦星と離れ離れにさせようと天の王様が思ったからです。

しかし、あまりにも悲しそうな顔をする織姫を忍びなく思い(優しいですね)「7日に1回だけ会っていいよ」と許したみたいです。要するに、週に1回は会ってもいいよという話です。

その伝言をカラスに託したところ、そのカラスが「7月7日に会っていい」と間違って伝えたため、2人は1年に1回しか会えなくなってしまったみたいですね。

カラスが正しく伝えていれば、七夕は週に1回のペースでやってくるようになるのでしょうか。ちょっとロマンティックさが欠けるので、織姫と彦星には申し訳ないですが、部外者の立場からすれば、カラスはいい仕事をしてくれたと思います。

このように夜空にある星や月は、わたしたちの生活を照らしています。どこかの世界で同じ星や月を誰かが見ていると考えるだけで、なんだか不思議な気持ちになるもの。みなさんもぜひ夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。

  • 参考
  • 小学館の図鑑 NEO 星と星座
  • image by:photoAC
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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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