国によって星座の見え方は違うの?「夜空」がもっと好きになる雑学
「上弦の月」と「下弦の月」の見分け方
おなじ「夜空」繋がりで、少し「月」についてもご紹介します。『鬼滅の刃』の空前の大ヒットを記録しましたよね。普段は漫画やアニメを見ない人も、あまりにも話題になっているために、劇場版を観に行った人も少なくないと思います。
その映画には、「上弦の鬼」と「下弦の鬼」が登場しました。上弦の鬼・猗窩座(あかざ)の強さに、途方に暮れてしまった人もいたかもしれません。
上弦の鬼の登場の前には、下弦の鬼も出てきました。そもそも論なのですが、「上弦」と「下弦」という言葉、どういう意味かご存じですか?
「下弦の月が 謡う永遠に続く愛を」
と、柴咲コウさんが『月のしずく』で歌っていた印象もありますね。月の満ち欠けである点には間違いがないですが、下弦とはなんなのでしょうか。辞書を調べると、
<満月から次の新月に至る間の半月>(岩波書店『広辞苑』より引用)
とあります。1カ月のなかでもそこそこ長い期間、下弦の状態で月は夜空に浮かんでいると分かります。
<弦を下にして月の入となる>(同上)
ともあります。
弦とは、漢字辞典を調べると「弓」+「玄」で、「玄」とは「一線を引いた上に細い糸の端が見ている状態」を意味すると分かります。
その「玄」が「弓」と合わさると、弓に見られる細い糸、弓のつるといった意味になりました。つるを張った弓の形が「D」だとすれば、曲がった弓の柄(握り)ではなく、その弓の柄(握り)に張った直線のつるの部分を弦と呼びます。
下弦の月とは、このピンと張った弦を下にして月が沈んでいく状態をいいます。
上弦の月とは逆に、ピンと張った弦を上にしたまま、言い換えれば弓の柄(握り)の曲線から月が沈んでいく状態。星よりも月はもっと身近な存在だと思います。知っておいて、損はなさそうですね。
織姫と彦星は週1で会えるはずだった
最後は「七夕」についてです。月なども夜空を眺める大きな楽しみのひとつだと思いますが、日本人には七夕も有名ですよね。
もともと中国から伝わってきた伝統が、日本古来の習俗に結び付いて、現代の形になったといわれています。織姫と彦星は年に1回、7月7日にしか会えないという有名なエピソードは、そのオリジナルである中国での伝説が由来しています。
そもそも織姫と彦星が年に1回しか会えなくなった理由は、恋によって仕事が滞るようになった織姫を、彦星と離れ離れにさせようと天の王様が思ったからです。
しかし、あまりにも悲しそうな顔をする織姫を忍びなく思い(優しいですね)「7日に1回だけ会っていいよ」と許したみたいです。要するに、週に1回は会ってもいいよという話です。
その伝言をカラスに託したところ、そのカラスが「7月7日に会っていい」と間違って伝えたため、2人は1年に1回しか会えなくなってしまったみたいですね。
カラスが正しく伝えていれば、七夕は週に1回のペースでやってくるようになるのでしょうか。ちょっとロマンティックさが欠けるので、織姫と彦星には申し訳ないですが、部外者の立場からすれば、カラスはいい仕事をしてくれたと思います。
このように夜空にある星や月は、わたしたちの生活を照らしています。どこかの世界で同じ星や月を誰かが見ていると考えるだけで、なんだか不思議な気持ちになるもの。みなさんもぜひ夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。
- 参考
- 小学館の図鑑 NEO 星と星座
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