ニッポンの田舎がすごい。世界が恋した美しい「星空」のまち
いまからはるか昔、メソポタニアの人たちは夜空を眺めながら、星の配置から12星座を作りました。当時の星空の美しさは、きっと我々の想像を超えるほど美しかったと思います。
現代では街が発展し、都心部ではビルの光などの影響もあり、ふと空を見上げても「あまり星が見えない…」なんてことも。しかし、いまでも空気が澄んだ自然豊かな場所では美しい満天の星空を眺めることができます。
特に梅雨が明けた8月上旬に夏の夜空では「ベガ(こと座)」「アルタイル(わし座)」「デネブ(はくちょう座)」が作り出す夏の大三角形を見ることができるのです。
そこで今回は、幻想的でロマンチックな日本全国にある星空の名所をご紹介していきます。ぜひ夏旅の参考にしてみてくださいね。
星空で村おこしに成功した長野県「阿智村」
星空や宇宙を観光資源として活用する「宙ツーリズム」が活発になっています。これは「宙(そら)」である空や星、宇宙を観光資源としたツアーを企画し、地域活性化やインバウンド増加を目指す取り組みです。実は、この取り組みは全国で広がりを見せています。
なかでも宇宙と関わりの深いといわれる長野県では「長野県は宇宙県」という合言葉で、活動が行われています。例えば「日本一の星空が見える」ことで世界的にも有名なのが、長野県の西部に位置する阿智村(あちむら)。
全国星空継続観察で「星が最も輝いて見える場所(2006年)」に第1位に認定されたことがきっかけで、国内だけでなく海外からも阿智村の星空を一目見ようと多くの方が訪れているのです。
また、阿智村では4月中旬から10月中旬にかけて「日本一の星空ナイトツアー」が開催されています。このツアーは全長約2,500m。所要時間約15分のゴンドラに乗って暗闇を進む、まるで星空のなかを空中散歩しているような気分を味わえるのだとか。
このように阿智村では、「星」を観光資源としてほかの地域にはない魅力を国内外に発信しています。
人口は約6,000人ほどの小さな村ですが、村内で開催された星空関連イベントの累計来場者数は50万人を突破(2018年時点)。まさに星空で町おこしを実現したといっても過言ではありませんね。
もちろん星空が美しい町は阿智村のほかにも日本各地にたくさん。ではどんな景色が見ることができるのか、全国の星空をご紹介していきます。