シーズンオフの北海道「知床五湖巡り」で、大自然との共存を学んできた
世界自然遺産に登録されている北海道・知床。知床の名前の由来は、アイヌ語のシリ・エトクで、突き出した地、地の果て、といった意味があります。
北海道の東部に位置し、いまでも手付かずの自然が残り、ここでしか見ることのできない動植物があり、国際的にも注目を集めている観光スポットです。
この地を、去る11月末日に訪れ、大自然を満喫してきました。今回はそんなシーズンオフでも、シーズンオフだからこそ楽しめる知床のさまざまな表情をご紹介します。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
知床五湖を周るコースでトレッキング体験!
世界自然遺産知床半島の中で1番多くの人が訪れる場所といえば、知床連山を眺めながら自然を満喫できる「知床五湖」でしょう。
このエリアでは、軽いハイキングから本格的なネイチャーウォッチングまで楽しめます。ちなみに知床五湖は、原生林の中に点在する5つの湖のことを言います。
知床五湖には、利用を制限するくらい保全に力をいれている、手つかずの原生林が広がっています。
この湖、不思議なことに川に繋がっていません。地下の水脈を通って水が出入りしているそうです。
湖の水は知床連山の地下水脈を通って湖にたまり、たまった水は湖底の岩に浸み込み岩盤を伝わり、それが知床半島の絶壁からオホーツク海に流れ落ちるのです。
知床五湖には、基本的に以下3つの周り方があります。
- 誰でも気軽に歩ける高架木道コース
- 知床五湖をすべて周る大ループ(地上遊歩道コース)
- 地上遊歩道を通りながら「二湖」まで行く小ループ
今回私は五湖すべてを周る大ループを、約2時間かけて踏破することに。
このコースはガイド(有料)さんに同行してもらい、フィールドハウスで10分ほどのレクチャーを受けてから入っていきます。
ちなみに1番の高架木道は、地上から離れた木道に電線を張りめぐらせクマが登って来られないようにした木道です。
このコースでは、片道800mの道のりを約40分かけて歩きます。木道はクマとの遭遇する確率もないので、レクチャーを受けたりガイドさんが同行しなくても、誰でも気軽に無料で楽しむことができるのです。
また厳冬期の知床五湖エコツアーも、1月から3月の期間限定で実施されています。
いざ、トレッキングへ。まずは五湖を目指します
では、10分ほどのレクチャーを受けて出発です。しかし、この日は前日の夜から降り続いた雨が止まず、シトシトと冷たい雨が降りしきるなかのトレッキングになりました。
遊歩道には足首まで浸かるほどの大きな水たまりができているとの情報があり、ガイドさんに長靴を借りることに。
国立公園内はヒグマの住処でもあります。私が訪れた数日前にも、一湖で泳ぐヒグマが目撃されるなど、至る所から出没情報が寄せられていました。
遊歩道に入るとバッタリとヒグマに遭遇しないよう声を出したり、手を叩いたりしながら進んでいきます。
万が一ヒグマに遭遇してしまったらツアーは中止になり、来た道を戻って行かなくてはなりません。ヒグマ出没情報が流れると、遊歩道も2時間ほど閉鎖されてしまうそうです。
原生林へ入っていくと、静かな森に美声を響かせる野鳥やここにしか生息していない草花と、さまざまな自然を感じることができます。
森の中の生き物たちについて、ガイドさんの丁寧な説明は、どれも興味をそそられるものばかりでした。
最初の湖、五湖に到着。雨足は強くなり、残念ながら知床連山をハッキリと望むことはできませんでした。どうにかカモが泳いていることを、ガイドさんから借りた双眼鏡で確認。
ちなみに晴れていると湖面が鏡のようになり、木々や知床連山を映し出すそうです。