国によって星座の見え方は違うの?「夜空」がもっと好きになる雑学

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2022/10/29

日本では「お餅をつくウサギ」に見えたり、ヨーロッパなどでは「髪の長い女性」に見えたり、月の表面の模様について解釈が国ごとに違うように、有名な「星座」も各国によって見え方が異なるようです。

例えば「北斗七星」は日本だと「柄杓(ひしゃく)」という感じですが、海外のとある国ではまったく違うものに見えるんだとか。そこで今回は、地球に暮らす誰にとっても身近な星座や月に関するトリビアをあれこれまとめてみました。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

「北斗七星」はひつぎに見えるらしい

「北斗七星」image by:Shutterstock.com

日本人にとって最も有名な星座のひとつといえば「北斗七星」ではないでしょうか。北斗七星を辞書で調べると、

<七つが並んで斗(ひしゃく)状をなす>(岩波書店『広辞苑』より引用)

と書かれています。

北斗七星の「斗」とは斗柄(とへい)の「斗」とで、斗柄とはひしゃくの柄の部分をいう言葉なのですね。いわば、日本人にとってひしゃくに見えるあの星。世界の人にはちょっと違って見えるみたいです。

『小学館の図鑑NEO星と星座』によると、フランスでは「ソースパン(鍋)」、タイでは「農具のすき」、中国では「帝の車」、アラビア諸国では「3人の娘とひつぎ」に見えるみたいですね。

「ソースパン」と「農具のすき」については何となくひしゃくに近い気がしますが、「帝の車」と「3人の娘とひつぎ」については説明がいりますよね。

「北斗七星」image by:Shutterstock.com

ひしゃくの先端の部分を帝が乗る車と見立て、柄の部分を車を引く人、あるいは帝に付き従う人として中国の人たちは見ているらしいです。アラビア諸国では、ひしゃくの先端をひつぎと見立て、柄の部分をひつぎを引く人と見立てているのだそう。


ちなみにこの北斗七星、10万年前は少し違った形で、10万年後はまた違った形になっているらしいです。7つの星のうち、ひしゃくの柄の先端の星とすくい部の先端の星の2つと、残りの5つの星は動く方向が異なるのだとか。

宇宙空間をそれぞれの星が固有移動していて、長い時間をかけてちょっとずつ位置がずれていくそう。あの奇跡的にも見えるくらい美しい星の配置は、10万年後の人間には違って見えると思うと、余計に味わい深いですよね。

「オリオン座」はカメに見える?

「オリオン座」image by:Shutterstock.com

北斗七星に次いで有名な星の並びといえば、「オリオン座」の中心にある3つ星ではないでしょうか。

北斗七星のひしゃくは、おおぐま座の一部で、大きなクマの尻尾を描いていますが、オリオン座の3つ星もオリオンの腰を表していて、3つ星を取り囲む4つの星の配置も皆さん、すぐに見分けられますよね。

海の神ポセイドンの息子であるうぬぼれ屋のオリオンの右肩に位置するオレンジ色の星が「ペデルギウス」、対角にあってオリオンの左足に位置する青白い星が「リゲル」だと『小学館の図鑑NEO星と星座』に書かれています。

「オリオン座」image by:Shutterstock.com

中心の3つ星と、その3つ星を囲むボックス状の4つ星の形を、皆さんはなんと表現しますか?

古くから日本では「(つづみ)」と見てきたみたいです。能などで打ち鳴らされる日本の楽器ですね。確かにいわれてみると、そのとおりに見えます。

しかし、鼓が存在しない海外ではやはり違って風に解釈されているみたいで、ペルーでは「カメ」、ギリシアでは「おんどり」だと見られているのだそう。

ちなみに、先ほどオレンジ色の星(右肩)をペデルギウス、対角線上にある青白い星(左足)をリゲルだと紹介しました。オレンジ色は「」に近く、青白い星は「」にも見えます。赤旗と白旗、源氏と平氏に見立て、ペデルギウスを平家星、リゲルを源氏星とも日本では呼んできたみたいです。

とても有名で、冬の空には極めて目立つ星座です。その星座を眺めながら、あの星はペルーだとカメに見られているだとか、ペデルギウスを平家星、リゲルを源氏星などと語れるくらいになると、いまより夜空を眺める時間がちょっとだけ楽しくなりそうですね。

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