梅雨の時期、薄紫色の花を咲かせる「ジャカランダ」という植物をご存じですか?
「紫雲木(シウンボク)」という美しい和名を持つジャカランダは、世界三大花木のひとつともいわれています。美しい色と形の花ですが、寒さが苦手な木であるため、日本ではなかなか見かけません。
そんなジャカランダが日本で群生しているのが、宮崎県日南市にある「ジャカランダの森」です。幻想的で美しい同所の魅力をご紹介していきます。
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煙るように咲く美しい「ジャカランダ」
紫雲木という名前が表す通り、遠くから見ると紫色の雲のようにふわふわとして見えるジャカランダの花。鈴のような形の薄紫色の花がまとまって咲く花木です。
原産地は南米で、温かな気候を好む木です。暖かな南米の気候では美しい花を咲かせることでとても人気の高いジャカランダ。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスなどでは日本の桜のように街をジャカランダが埋め尽くします。
ハワイでも多く見られ、短い期間しか咲かないことや大きな木に咲くことから「紫の桜」や「南米の桜」と呼ばれることもあります。
日本ではめずらしいジャカランダ
世界三大花木に数えられるジャカランダは、冬のある日本ではなかなか見られません。
長い冬のある日本ではジャカランダの木は大きくなりにくく、木が大きくならないと花が咲かないのです。この花を咲かせるには日照時間や気温が大きく関係しています。
日本では珍しいジャカランダですが、宮崎県日南市と静岡県伊豆市などがジャカランダの名所として知られています。どちらも暖かな場所として知られていますね。
特に日南市の「ジャカランダの森」は、約1,000本ものジャカランダが咲く日本唯一の群生地。暖かな気候の宮崎県はジャカランダが成長するのに適した気候だったのです。
「ジャカランダの森」とは?
日南市の海沿いに広がるジャカランダの森は、絶景の道の駅として知られる「道の駅なんごう」のすぐ側に位置しています。
同所のジャカランダは、もともとブラジルからやってきたもの。1964(昭和39)年、東京オリンピックが開催された年にブラジルの宮崎県人会の方々からプレゼントされたものだそうです。
もちろん、成長させるのが難しいジャカランダはすぐに日南市に定着したわけではありませんでした。何年もかけ大切に育てた結果、いまのような美しいジャカランダを見ることができるようになったのです。
宮崎県内の他の地域にもジャカランダを広げようとしたようですが定着せず、このジャカランダの森では元気に成長してくれたとのこと。日南海岸の気候のおかげなのですね。
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