謎に包まれた「未開の地」は、まだこんなにたくさん残っているらしい【世界の不思議】

ピトケアン諸島/イギリス

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次は、未開という言葉は正式に当てはまらないものの、ほぼ未開のような状態で人々の暮らしが営まれているイギリス領の島を紹介します。

イギリスの島といわれると、イギリスの近くにある離島かと思ってしまいますが、「ピトケアン諸島」に関しては全く違います。まず、太平洋の東寄りにあり、東太平洋海嶺に乗っかる形で海面に出ている火山島です。

経度でいえば、アメリカのロサンゼルスやサンフランシスコと同じ。しかし、主だった大陸から5,500kmも離れた絶海の孤島で、飛行場もなければ大きな船着き場もありません

当然、島への人間の定住が始まって以来、飛行機やヘリコプターが降り立った歴史を持たない、ほぼ「未開の島」ですね。現地に行くには、ニュージーランドのオークランドから数日間を費やして、ヨットでアプローチするしかないのだとか。

もともとこの島の定住が始まった時期は、200年ちょっと前。イギリス海軍の船で反乱が起き、その反逆者側の人たちが船を乗っ取って、たどり着いた先で定住を始めた島がピトケアン諸島です。

「ブライ海尉と士卒の一部を『バウンティ』から追放する反乱者たち(1789年4月29日)」ロバート・ドッド画。image by:Robert Dodd, Public domain, via Wikimedia Commons

名優クラークゲーブルも出演する映画『戦艦バウンティ号の叛乱』でも取り上げられた有名な事件みたいです。その定住者のなかには、反逆者たちが途中で立ち寄ったタヒチ島の人たちも含まれており、その子孫がいまでもこの絶海の島に暮らしているのですね。

ちなみに、イギリス政府は全てのイギリス人成人にワクチン接種を済ませるべく、遠近かかわらずすべてのイギリス領に届けました。

そのなかには、人口47人が暮らすピトケアン諸島も含まれていたそうです。ヒースロー空港からオークランドに空路で行き、オークランドから約3時間離れた港から2週間かけて、輸送船で現地に届けたみたいですよ。

このように世界にはまだまだ未開の地が隠されています。もちろん冒頭でご紹介した通り、簡単にアクセスできる場所ではありませんし、法律によって保護されている場所も少なくありません。

行けない場所だからこそ、想像がふくらみ、冒険心がくすぐられますよね。皆さんもぜひ未開の地について、旅の想像をふくらませてみてはいかがでしょうか。きっとワクワクが止まらなくなりますよ。

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