天然物の「鮎(アユ)」を食べたことはありますか?鮎は「清流の女王」と呼ばれ、柔らかく癖のない身が美味しいのが特徴で、水のきれいな清流でしか見られない貴重な魚です。
鮎の漁は全国各地で行われていますが、そのなかでも最高級の鮎が獲れるといわれているのが高知県の「四万十川」。清らかな四万十川の鮎は夏と冬の年に2度、漁が解禁となります。
とくに12月〜1月末までの漁で獲れる鮎は「落ち鮎」と呼ばれる特別なもの。今回は晩秋の風物詩、一度は食べてみたい四万十川の落ち鮎をご紹介します!
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四万十川の鮎は最高級!
高知県の西部を流れる一級河川、四万十川。誰もが名前を耳にしたことのある、この美しく巨大な清流の側にある観光都市が四万十市です。
四万十川の豊かな水に育まれる四万十市自慢の特産品は、鮎を始めとし、お米、大豆、地酒、川エビ、栗、ピーマン、椎茸など川の幸・山の幸がたくさん!自然と合わせてグルメを楽しめるのが四万十市の特徴です。
そんな四万十市の特産品のなかでも、最高級品とされているのが天然の鮎。四万十川は鮎の宝庫なんです。
一体なぜ?四万十川が鮎の名所である理由とは
日本中をくまなく流れる川。あちこちで鮎漁は行われていますが、どうして四万十川の鮎は最高級品といわれるのでしょうか?
同じく天然物であれば、鮎の質に差はないのではと思ってしまいますよね。実は、四万十川の天然鮎が最高級品といわれる理由は主に3つあります。
1.ダムがないこと
まずは「周辺にダムがない」ことがあげられます。実際にはダムに似た発電用の堰(せき)はあるものの、正式にダムと呼ぶ大きさには達していません。
大きなダムがないため水の流れがせき止められることなく流れ続け、水の状態がいつでもきれいなことが、おいしい鮎に繋がります。
「鮎は川を食べて育つ」といわれるほど水質の影響を受けやすい魚です。水がきれいであればあるほど、美味しい鮎が獲れるというわけですね。
2.降水量が多い
川の水質の良さは「降水量の多さ」に起因します。高知県は全国でも有数の降水量の多い地域です。雨の日は多くないものの、年間の降水量は全国1位。大雨の日が多いということですね。
その理由は太平洋から流れてくる湿った気流が、四国山脈にぶつかること。とくに山間部は雨がとても多いことで知られています。雨は山を流れ、四万十川に流れ込みます。豊富な水量の源は雨の多さとも関係があるのです。
3.ミネラルの多い水
水質の影響を受けやすい鮎。四万十川を流れる水は「ミネラルが豊富」に含まれており、鮎のエサとなる川苔類もたっぷり育ちます。
ミネラルの多い水の中で、十分にエサを食べて育つ天然鮎は香りが強く、味も濃くなるのだとか。空からの雨、川の水、そして川で育つ苔と完全に自然の力で美味しい鮎が育まれているのです。
鮎漁は時期が決まっている
鮎を守るために、四万十川では漁をしていい時期が厳しく決められています。毎年5月〜6月の間に解禁になり、10月中ごろまで続きます。その後、鮎の産卵のために一度禁漁になり、12月1日に再び解禁となるのが一年の流れ。
鮎は川の下流で生まれ、清流や海で育ち、その後は産卵のためにまた川の下流域へと戻ってくる生態を持つ魚です。
このように通常は川で育ちますが、生活の一部を海に出る魚のことを「両側回遊魚」と呼び、特に川で産卵する魚を「淡水性両側回遊魚」と呼びます。鮎はこの種類の魚の代表格で、ほかにはトウヨシノボリなどがあげられます。
落ち鮎は、産卵のために川を下る鮎のことを呼ぶのですね。では、初夏の鮎に比べてどんな特徴があるのか見ていきましょう。
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