春を告げる奈良の風物詩。東大寺の二月堂で行われる「修二会(お水取り)」

お正月を過ぎると、暦の上では春の到来です。まだまだ寒い日が続きますが、あたたかな春を待つ行事が1月末ごろから全国で行われます。

古都・奈良県でも春を待つ行事があり、なんと「この行事を見なければ春が来ない」といわれるほど。

そんな歴史のある行事が、東大寺の「お水取り」です。2023年も行われる奈良の春の行事に迫ってみましょう。

目次

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

東大寺の二月堂で行われる「お水取り」

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東大寺にある仏堂「二月堂」で行われる「お水取り」。この伝統行事は、テレビでも度々特集を組まれるほど有名な行事です。

コロナ禍で一般公開が叶わなかった2022年にはNHKによって全国へ生放送されました。2023年のお水取りは現在のところ非公開となる予定はなく参拝可能です。

ただし、2023年は3月1日〜14日の間(11日と12日を除く)、二月堂の見学可能場所では人数制限が行われます

一定数の人数を超えた場合、第2拝観所にて見学が可能ですが、こちらも人数が超えた際は見れない可能性があるので注意しておきましょう。

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「お水取り」と呼ばれている行事ですが、実は通称です。「修二会(しゅにえ)」と呼ばれる行事の中に含まれる一部の儀式のことを指します。

修二会はさまざまな儀式から成り立っていますが、広く知られているのが「お水取り」と「お松明(おたいまつ)」という儀式です。なかには「お水取り」のことを「お松明」と呼ぶ方もいらっしゃいます。


「お水取り」は、毎年3月1日〜15日にかけて行われる伝統行事で、二月堂の本尊である「十一面観音菩薩」に向かい悔い改め、祈りを捧げるために行われます。

3月1日から毎日行われるのが二月堂の舞台を炎が彩る「お松明」で、3月12日の深夜から行われるのが「お水取り」です。

しかし儀式そのものは見学することができません。そのため「お水取り」を見学するということは「お松明」を見に、二月堂を訪れることとなります。

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「お水取り」は不退の行法と呼ばれ、雨が降ろうが雪が降ろうが必ず毎年行われ、2023年は1272回目を迎えます。

始まったのは752年で、奈良時代から一度も欠かすことなく行われてきました。戦時中でも、なんと二月堂が消失したときですら欠かさず行われてきたのです。

このことだけでも、奈良の人々にとって重要な行事であることが伺えますね。

3月1日から2週間見られる「お松明」

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「お水取り」という通称とは真逆の燃えさかる「お松明」。実は儀式が始まった当初は「練行衆」と呼ばれる僧侶の方々を暗いお堂へと案内するため、実用的なサイズの松明だったとされています。

「練行衆」は2月中ごろから身を清める準備段階に入り、3月になると毎日「お松明」に続いて二月堂に入られ読経を行われるのですが、灯りがないため童子と呼ばれる方々が松明で足元を照らしていたのですね。

しかしいつの頃からか、この「お松明」が通常の小さなものではなく巨大なサイズへと変わり、行事の目玉へとなりました。

長さなんと6mの松明が二月堂の舞台に現れ、火の粉を捲き上げながら進む様子は迫力満点。この火の粉に触れると一年を健康に過ごせると信じられています。

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