世界には、さまざまないわくつきの屋敷や宝石などがあるとされています。その逸話の話は尽きず、いろんな憶測のもと噂が噂を呼び、現代にまで語り継がれてきました。
そこで今回は、幽霊屋敷や呪われた宝石など、信ぴょう性はさておき、あれこれ噂が流れる世界の有名な話をご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
ウィンチェスター・ミステリー・ハウス/アメリカ
最初は、アメリカのカリフォルニア州サンノゼにあるミステリースポットから。サンノゼとは、サンフランシスコの南にある都市です。
この「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」は建築上、ユニークな特徴を持ち、まず窓の数だけで1万もあります。
室内のドアの数は2,000枚、部屋の数は160、煙突まで17本もあって、お風呂が13室。キッチンは6室、ちょっと異常ですよね。
敷地自体は2,229平方メートルです。テニスコートでいえば8面くらいの広さ。なんで、こんな巨大で風変わりな建物ができたのでしょうか。
この建物をつくった人は、サラ・ウィンチェスターという女性です。数年前にも『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷(英題:Winchester)』というホラー映画になりました。
銃の製造で巨万の富を得たウィンチェスター社の創業者の息子と結婚したサラ・ウィンチェスターさん。
悲しいことに子どもを亡くし、祖父を亡くし、夫を亡くすといった不幸を経験したあと、当初住んでいたコネチカット州(アメリカの東部)のニューヘイブンからカリフォルニア州(アメリカの西部)のサンノゼへ引っ越します。
そして8室ある2階建ての家を購入して、1886(明治19)年に改築を開始。1922(大正12)年に亡くなるまで続けました。その背景には、何があったのでしょうか。
家族を相次いで亡くしたショックから、霊媒師に相談したところ「銃によって命を奪われた人たちの霊をとむらうために西へ向かい、霊の住みかとなる家をつくり続けろ」と助言されたからなのだとか。
その結果、上述のような家になっていったのですね。
現在では「幽霊屋敷」として有名な観光地になっていますが、彼女の生前から屋敷内では、怪奇現象の目撃例が続出したそうです。
公式ホームページには「本当に、この家は、幽霊屋敷なのですか?」という問いがFAQコーナーに掲載されています。回答として、
<That’s just part of the mystery, right?>(公式ホームページより引用)
と書かれています。「単なるミステリー話、そうですよね?」といった感じでしょうか。
しかし、そのあとには、次のようにも書かれています。
「1923年以降、不思議な現象を経験したゲストや使用人は多いとされています。その結果、世界の幽霊屋敷のリストにも載っています。ご自分でお確かめください」
2023年の今年は、サラ・ウィンチェスターさん亡き後、屋敷が転売され、一般公開されるようになってから100周年の記念すべき年です。メディアの注目度も高く、サラ・ウィンチェスターさんにもあらためて注目が集まっています。
増築を繰り返し、怪奇現象も噂される屋敷の異常さが目立つため、サラ・ウィンチェスターさんは奇人や変人のように思われがちですが実際は、地域の人たちに仕事を生むなど、利他の精神に生きた人だったみたいですね。