日本は「トイレ先進国」といわれるほど、トイレが進化していると世界的に評価されていますよね。メーカーの努力のおかげで機能性も豊かで、気持ちよく使うことが可能。
そんな日常生活で欠かせないトイレですが、国が違えば常識も変わりますし、ときにはトイレ自体が問題視されるときもあります。パーソナルな行為なのでもちろん人それぞれですが、例えばドイツではトイレで座ってくださいというサインがわざわざ表示されているのだとか。
そこで今回は、実際に外国人に聞いた「世界のトイレ事情」を紹介します。
日本人男性の7割が座り小便派に
外出先のトイレは別として、家庭内でのトイレでは放尿の際に立っていますか?座っていますか?
ある民間の調査(2023年)によると、日本人女性の8割近く、男性でも6割ちょっとが「座ってすべき」と考えているそうです。
英国の『The Guardian』が紹介する2020年の調査でも、日本人男性の7割が座って用を足していると明らかになっている様子。しかもその比率は、2015年の調査と比べると、20%近く「座る派」が増えているのだとか。
<It seems the world-Japan at least-is changing>(『The Guardian』より引用)
「世界は、日本は少なくとも変わってきている」といった意味の言葉も海外のメディアには書かれています。
飛び散るリスクを同居中の人が嫌うからと、その意向に沿って徐々に行動をあらためているというより、日本の場合は、飛び散りを自覚する男性が飛散を嫌って、自らあらためているケースが多いと、TOTOの別の古い調査で明らかにされているみたいです。
では、世界はどうなのでしょう?最初は、ドイツのトイレ事情から。
トイレは「座ってして」サインがある/ドイツ
同じく「座りしょん」大国とされるドイツの場合、日本とは異なる圧力のようなものも働いているみたいです。
ドイツには、自動車のリアガラスによく見かける「Kids in the car(子どもが乗車しています)」ような感じのデザインで、「座ってしてください」と訴えるトイレ用のサインが結構前から存在するのだとか。
そのサインを、家庭のトイレやシェアハウスのトイレに掲示して、住まいをともにする男性陣やゲスト(子どもの友だちの男の子も含む)に、座ってするようにお願いしているみたいですね。
いまでは、インターネットで調べると日本にもある様子。知人のドイツ人ジャーナリストに確かめると、同様のサインを掲げる家庭を知っていると教えてくれました。
しかし、一部のドイツ人男性からは「立ってしてもいいではないか?」という意見もあります。
座って用を足す男性を「Sitzpinkler」と呼ぶ、蔑称(べっしょう)みたいな言葉もあり、少し古い話ですが2015年には男性の立ってする権利を訴えた裁判あったみたいです。
それはある賃貸アパートで、契約期間中に立って放尿し続けた男性住人の尿の飛散でトイレ内の大理石の床が損傷を受けたとして、賃貸物件のオーナーが男性契約者を訴えた事件でした。
男性側は「立って小便をするスタイルはいまだに一般的な慣習だ」として反論し、最終的に裁判所は男性の立つ権利を認めました。
そんな抵抗も一部にあるドイツですが、『The Guardian』によると、記事の著者の友人が、X(旧:Twitter)で「立ってするか座ってするか」とアンケートを取ったところ、400件ほどの反応があり、実に半数以上が座って用を足していると答えたそうです。
イギリスの世論調査機関『YouGov』の調査でも、その数字を裏付けるように、40%のドイツ人男性が毎回座って用を足し、22%が結構な頻度で座って用を足し、15%が時々座って用を足すとわかっています。
むしろ、絶対に座らない派はわずか10%。ドイツもなかなかの数字かもしれませんね。