湧き水でお金を洗うと何倍にもなって返ってくる―そんな言い伝えがある、鎌倉の「銭洗弁財天宇賀福神社(ぜにあらいべんざいてんうがふくじんじゃ)」。
通称「銭洗弁天(ぜにあらいべんてん/以下、銭洗弁天)」という同社は、JR鎌倉駅から歩いて約25分、坂道を含み決してアクセス良好とは言い難く、公式ホームページもないながら、参拝客の絶えないパワースポットです。
それもそのはず、金運・財運アップのご利益だけでなく、中世にタイムスリップしたかのような神秘的な雰囲気、「銭洗い」を含めた独特の参拝様式など、多くの魅力があるのです。それでは、現地からその魅力をしっかりお伝えします!
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目次
- 1源頼朝の夢枕に現れた神様とは?「銭洗い」のご由緒
- 2キーワードは「巳」!水の神様へのお参りの方法とは?
- 3ついに「奥宮」にて、金銭を洗い清める!
- 4「清められたお金は有意義に」使おう
源頼朝の夢枕に現れた神様とは?「銭洗い」のご由緒
鎌倉・佐助ヶ谷の「隠れ里」と呼ばれるそこは、なるほど確かに、参拝客の往来がなければひっそりとした山間。
上り坂の途中に鳥居が立ち、山の中に招き入れるかのように岩壁にトンネルが穿たれています。
同社の案内板に記された御由緒によると、1185(文治元)年の巳の月(みのつき)、巳の日(みのひ)、平家を討伐し鎌倉幕府を樹立したばかりの源頼朝の夢枕に、ある老人が現れたのだとか。
老人は「ここから西北の方角に仙境があり、きれいな泉が岩の間から湧き出している」「その霊水を使って神仏をまつれば、国内は平穏に治まる」などと語り、さらに自らを「隠れ里の宇賀福」だと名乗ったとされています。
そこで頼朝は目を覚ますとすぐに、お告げのあった西北の谷に泉を見つけ、岩窟を掘らせて宇賀神をおまつりした…というのが、この神社の起こりです。
その後、1257(正嘉元)年の巳の年(みのとし)に、時の執権・北条時頼がこういいました。
「弁財天を信仰する者が、持っている金銭をこの水で洗い清めると同時に心身を清めて行いを慎めば、不浄の塵垢が消えて、清浄の福銭になる」
そして率先して金銭を洗い、一家繁盛と子孫長久を祈ったそうです。
キーワードは「巳」!水の神様へのお参りの方法とは?
岩のトンネルを抜け連なる鳥居をくぐると、視界が開けます。
筆者が訪れたのは、2023年5月11日。同社では、毎月「巳の日」にご祈祷が行われる(普段は神主が常駐していない)ため、5月の「巳の日」を狙って訪れたのです。
そもそもこの「巳の日」とは、十二支を「子の日(ねのひ)」「丑の日(うしのひ)」など1日ごとに割り当てたもの。よく聞く「土用の丑の日」は、土用という期間内に訪れる丑の日であることを指します。
つまり月に2〜3回は「巳の日」があり、また「巳の日」には金運・財運が上がるといわれています。(参考:干支カレンダー/CASIO)
取材時は5月の「巳の日」である午前10時前に到着しましたが、すでに参拝者でにぎわっていました。
ちなみに、銭洗弁天のご神体は、体がヘビで頭が人の形をした水の神様です。ヘビは弁財天や宇賀神のお使いなのだとか。
社務所には、お金を清める際に使うざるが積まれています。参拝料は志納ですが、せっかくなのでここで200円を払い線香、ローソク、ざるのセットを受け取りましょう。
また、茶屋では奉納用の生卵が販売されています。
茶屋の女性によると、卵を供えるのには「ヘビの神様に願いを丸のみしてもらう」という意味があるそうです。
カラスが卵を狙っているので、卵のざるはハンカチなどで覆い、目隠しした方が良いということも教わりました。(実際に、祈願中の人が置いていたざるからカラスが卵をくわえて飛んで行ってしまったのを目撃しました。)
源頼朝が見つけた泉があるのは「奥宮」です。その前に、七福神社、下之水神宮、上之水神宮、本社を順にお参りします。
卵をお供えする際には、必ず各社に設置された卵ケースに入れましょう。
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