TRiP EDiTORでは、これまで何気ない日本語が海外では違う意味に聞こえてしまう例を取り上げてきました(なかにはちょっと強引なケースも)。
今回も、その続編として、ちょっと下ネタに聞こえてしまう日本語や、ちょっと攻撃的な響きを持ちかねない単語をピックアップしてみました。
「ピント」/ポルトガル語
最初は、ポルトガル語から。ポルトガル語は、ポルトガル以外にも、南米のブラジルやアフリカのギニアビザウやアンゴラをはじめとする5ヶ国で公用語として使われています。
そのポルトガル語には「pinto」という単語があります。発音は、そのまま「ピント」。例えば、ポルトガル旅行中に記念撮影をするとなれば「ピントが合っていないね」などと、口にする機会があると思います。
しかし、ポルトガルで「ピント」を口にする場合にはちょっと要注意を。ケンブリッジ大学が出版している『Cambridge Dictionary』で調べると、ポルトガル語の「pinto」の説明に「cock」「pecker」「prick」などの英単語が掲載されています。
いずれも、スラングで「ペニス」を意味する言葉。そうなると「ピント」とポルトガルで口にするたび、現地の人には「ペニス」と言っているように聞こえるのですね。
そもそも論としてこの「ピント」という言葉、どこから来ているのでしょう。
同じ意味を言う時に、英語では「focus(フォーカス)」と言いますが、『プログレッシブ ポルトガル語辞典』によるとポルトガル語では「foco」と表現するそう。
では「ピント」の由来はどこから?
小学館『大辞泉』によると、オランダ語の「brandpunt(ブランドプント)」から来ているらしいです。意味は「焦点」。いろんな単語が出てきて、なんだかちょっと混乱してきました…。
「ボーボー」/フィリピノ語(タガログ語)
「ボーボー」という擬音語を使って例文をつくれと言われたら、どのような表現を思い浮かべますか?
多くの方は、「毛が、ボーボーに生えている」とか「炎が、ボーボーと燃えている」といった表現をするのではないでしょうか。
「ひげ、ボーボーだからそったら?」といった会話は、旅先でも当たり前に使われるはずです。何かの祭りで火を見て「ボーボーと燃えている、すごいね」などと口にする場面も想像がつきます。
しかし、この擬音語、フィリピンなど一部の地域では、人に向かって言わないほうがいいかもしれません。
フィリピノ語とタガログ語には「bobo」という言葉があって、辞書で調べると英単語の「idiot」と同じ意味だとわかりました。
「idiot」とは「ばか、まぬけ」を意味します。古くは「成人しても精神年齢が3歳以下のままの人」を意味しました。間違っても、現地の男性のひげを指さして「ボーボー」などとは言ってはいけませんね。まあ、普通にしないと思いますが。
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