そろそろ「ハワイ」が恋しい気分です。エメラルドグリーンからコバルトブルーへとトーンを変えて輝く海の青、色とりどりのボードを抱えて波乗りに興じるサーファーと背の高いパームツリーの下で昼寝するウミガメたち、そしていつもふと見上げると空に弧を描く大きな虹。
そんな原色の風景に混じって思い浮かぶのが、少しだけさびれた風情の、時計の針をゆっくりと巻き戻したような小さな古い町並みの風景。
どこか懐かしくて、どこか優しくて。寄り添うようなその佇まいに初めて訪れた人も笑顔で「ただいま!」と言いたくなる、古き良き時代の美しいハワイです。
目次
- 1ノースショアの古き良き時代の日系タウン「ハレイワ」
- 2旅の途中に触れる優しい時間が流れる町「ヒロ」
- 3ペレに見守られる楽園の入口、ハッピー「パホア」!
- 4コーヒーベルトで出会う小さな町「カイナリウ・タウン」
- 5美しき小さな田舎町「ホノム」
- 6ハマクアの青い海を眺める高台の町「ホノカア」
- 7最北端を目指す旅の途中美しき「ハヴィ」
- 8緑の森に佇むクラシックタウン「オールド・コロア・タウン」
- 9風が駆け抜けるノースショアの町「パイア」
- 10カウボーイ気分で過ごすアートな町「マカワオ」
- 11忘れてはならない「ラハイナ」
ノースショアの古き良き時代の日系タウン「ハレイワ」
まずは「オアフ島」のオールドタウンからご紹介します。
オアフ島でオールドタウンといえば「ハレイワ(Haleiwa)」です。
サトウキビプランテーション時代に日系移民の町として発展したこの町は、現在はノースショアの拠点となるサーフタウンとして、またお洒落スポットが点在する人気の観光地として世界中にその名を知られる存在に。
全長2.5kmほどの小さな町ですが、メインストリートにはノースショア名物にもなっている老舗のかき氷屋「マツモト・シェイブアイス」や、現存する最古のサーフショップ「サーフ&シー(Surf N Sea)」をはじめ、アートギャラリーや高感度なショップが建ち並び、散策には事欠きません。
個人的には、ハレイワを象徴する「ストロング・カレント」「グラス・スカート・グリル」「ハレイワ・スーパーマーケット」といった馴染みの店が閉店してしまったのは淋しい限り。
冬になると、いい波がある日は朝からハレイワの町全体がソワソワと浮き足立ち、ビッグウェーブ目当てに集まってくるサーファーとそれを一目見ようとするギャラリーたちで賑わいます。
ハレイワが最もハレイワらしい瞬間ですが、夏のハレイワの海はいたって穏やか。ワイキキから駆け足で訪れる人がほとんどですが、ぜひともサンセットまでのんびりと過ごしてほしい町です。
旅の途中に触れる優しい時間が流れる町「ヒロ」
続いて紹介するハワイの島々のなかで最大の島、通称”ビッグアイランド”の名で親しまれる「ハワイ島」はオールドタウンの宝庫。ちょっと車を走らせると次々と小さな古い町並みと出会うことができる場所です。
ハワイ島東海岸に位置する「ヒロ(Hilo)」の町は、首都であると同時に島で一番大きなオールドタウンでもあります。
海沿いを走るカメハメハアヴェニュー沿いには可愛らしいショップが建ち並び、山側に道を入るとヒロのランドマークでもある「パレス・シアター」があります。
どこを切り取ってもフォトジェニックなヒロの一画ですが、観光客で浮き足立つワイキキやコナとはまるで対照的なヒロの町は、ローカルの人々の日常がそこにあるのが魅力。
メインストリートからケアウェストリートを日系の「KTAスーパーストア」に向かって歩けば、タトゥーショップやアンティークショップが並び、美容院や電気屋の看板に紛れてカフェやレストランが点在します。
ここでは圧倒的に日系の方々の姿が多く、それは雨が多いと言われるヒロの町の色彩に不思議としっくりと馴染み、ひとつの美しい絵となって映ります。
ハワイ島まで来て先を急ぐ旅はナンセンス。コーヒーでも片手にヒロに流れる優しい時間を過ごしてみてはいかがでしょう。
ペレに見守られる楽園の入口、ハッピー「パホア」!
ヒロから南に32km。ハワイ島東南部、女神ペレのお膝元プナエリアにある「パホア(Pahoa)」は、ハワイで最もファンキーなオールドタウンです。
メインスリートはわずか100mという小ささですが、ここはいつ訪れてもピースで自由な雰囲気にあふれ、ローカルたちはもちろん旅人も含め誰一人としてせかせかした姿には出会いません。
いい感じに古びた建物はいくたびもペンキを重ねられ、あちこちの壁にはアートが描かれ、そんなゆるい空間にしっくり馴染んだカフェやレストラン、個性的なブティックが並びます。
ハワイ島の老舗ナチュラル系スーパーマーケット「アイランド・ナチュラルズ」の姿もあり、小さな通りながらなかなかの充実感。
ちなみに正確には「パホア・ヴィレッジ」の名称で、ハワイでNO.1のヒッピータウンでもあります。
その昔、パホアのブティックで見つけた一枚の絵―――
それは大勢の人で賑わうパホアのメインストリートを描いたもので、登場しているのはこの町に住む者なら誰もが知る町の有名人たち―――
が忘れられず、時々ふとあの絵は今でもブティックの壁にかかっているのだろうか?と気になるので、近くまた訪ねて行きたいと思っています。
パホアを抜けるとその先は、ハワイ島のなかでもずば抜けて個性的でピースなエネルギーにあふれるプナの楽園地帯。パホアで立ち止まる時間はまさに楽園への入口の時間で、そこはいつも心躍る出会いがある場所です。