世界一の何かがあると言われると、興味関心がわきます。旅先にあるとしたら、行ってみたくなりますよね。いろいろな世界一が日本にもありますが、たくさんの世界一が日本の外にも存在します。
そこで今回は、海外旅行の目的地にもなる地球上のさまざまな世界一を紹介します。ちなみに「世界一」の信ぴょう性を担保するため、ギネス世界記録に登録されている世界一に掲載を限りました。
世界一巨大な温泉
日本に暮らす日本人は、日本が温泉大国だと実感するはずです。そこかしこに温泉地があり、温浴施設があり、温泉街が発達し、温泉の文化が何層にも日本人の暮らしに入り込んでいるからですね。
実際、源泉の数も28,000個所以上と、世界で突出して多い国になっています。自噴の源泉だけでなく、動力でくみ上げる源泉もたくさんあるためです。
ただ、単純に、世界一巨大な温泉はどこかと言われれば、日本には存在しません。同じく、温泉入浴が盛んな火山国のニュージーランドに存在します。
ギネス世界記録にも「The largest hot spring(surface area)」と登録されていますから、表面の広さで比べればとりあえずは世界一と言って良さそうです。日本語にすると「世界最大の温泉(表面積)」といった感じ。
ニュージーランド北島内陸部のワイマング渓谷に存在する温泉の名前は「フライパン湖」です。表面積は、3.8ヘクタール。3.8ヘクタールは単位を換えると、38,000平方メートルでもあります。
38,000平方メートルといえば、東京ドームの46,755平方メートルには及ばないものの、甲子園球場のグランドの広さ(14,700平方メートル)よりも広大です。
湖の中でも最も幅の広い場所で200m、最も深い場所は20m、平均的な深さは6mです。50~60℃のお湯がわきだす天然の温泉湖です。
残念ながら、強酸性のお湯で、人間の入浴に適しておらず、入浴施設も存在しないという点は物言いが入りそうですが、それだけの大きさの天然温泉湖が存在するとは驚きですよね。
世界最大の国立公園
次は、世界最大の国立公園です。日本にももちろん国立公園はたくさんあって、北海道の中央部にある大雪山国立公園が日本最大となります。
その広さは、226,764ヘクタールで位を換えると約2,267平方キロメートルになり、東京都23区(約670平方キロメートル)よりも大きい国立公園になります。23区どころか、東京都全体(約2,187平方キロメートル)よりも巨大だから、すさまじいですよね。
しかし、世界一巨大な国立公園はもっと大きいです。ギネス世界記録には、グリーンランドの北東グリーンランド国立公園が「The largest national park(世界で最も広い国立公園)」として登録されています。
その広さはなんと972,000平方キロメートル。大雪山国立公園のおよそ430倍です。「でっかいどお。北海道」の概念を覆す巨大さですよね。
その面積は、世界最大の湖であるカスピ海(約374,000平方キロメートル)を楽々と超え、日本列島全体の面積(約377,950平方キロメートル)も超えます。
国立公園の大部分は氷で覆われ、ホッキョクグマなどによる生態系が維持されています。それだけ、広大で手つかずの国立公園が地球上に存在するのですね。
世界最大の教会
教会といえば、どこの教会を思い浮かべますか?日本だと、軽井沢にある「石の教会 内村鑑三記念堂」だとか、東京都文京区にある「東京カテドラル聖マリア大聖堂」だとかを思い浮かべる人もいるかもしれません。
世界だと、ドイツの「ケルン大聖堂」だとか、フランスの「モン・サン・ミッシェル」だとか、バチカン市国の「サンピエトロ大聖堂」だとか、またまたフランスの「ノートルダム大聖堂」などでしょうか。建築の面でいえば、スペインの「サグラダファミリア」も有名です。
そんな世界に数ある教会の中で、世界一大きい教会といえば、どこになるのでしょう。答えは、コートジボワールの内陸部にある首都ヤムスクロにあります。英語表記で「Basilica of Our Lady of Peace」、日本語表記では「平和の聖母大聖堂」ですね。
その巨大さは、高さ以上に広さ。30,000平方メートルの敷地の中に、巨大な教会が建っています。教会内部は、入り口から祭壇までの空間に7,000人が同時に着席できる身廊があり、11,000人の立見スペースもあるのだとか。
1989(平成元)年に完成した当時からギネス世界記録に「The largest church」として登録され、現在に至っています。
ちなみに、世界一の高さを誇る教会は、ドイツ南部のバーデン・ビュルテンベルク州ウルムにある「ウルム大聖堂」で、尖塔(せんとう)の高さが161mに達します。
ただ、平和の聖母大聖堂もなかなかの高さで、教会の中央ドームには金の十字架があり、その頂点の高さは、地上から158mに達します。
世界最大のホテル
最後は、世界最大のホテルです。この場合の最大とは部屋数になります。日本で、部屋数の多いホテルといえば、どこを思い浮かべますか?
例えば、2019(令和1)年に完成したアパホテル&リゾートの「横浜ベイタワー」の客室数は2,311部屋。単独のホテルとしては、日本最大級とされています。
地上35階建て、館内には大浴場、露天風呂、プール、フィットネス、大宴会場などを備える、堂々たる超高層ホテルですね。
他にも、東京の「品川プリンスホテル」が巨大です。単独のホテルとして3,500室以上を誇り、ホテルとエンターテインメントの融合をテーマに、水族館、ボーリング場などを備えています。3,500室が満室になれば、最低でも3,500人がホテルに滞在している計算になります。
基礎自治体として、3,500人の人口が存在しない町村は日本にたくさん存在します。市であっても、北海道の歌志内市のように、人口が2,668人といった場所もあります。いわば、市町村のような規模の人口が一気に宿泊できるサイズなのですね。
しかし、世界最大のホテルはもっとすごいです。ギネス世界記録に「The largest hotel(number of rooms)」と登録されているホテルがマレーシアのパハン州(クアラルンプールの東)にあって、その客室数は、品川プリンスホテルの約2倍の7,351部屋になります。
名前は「ファーストワールドホテル」で、カジノ、遊園地、ショッピングモールを併設し、カラフルな外観も印象的です。
誕生は、2015(平成17)年。この先、人口が減り続け、経済的にも低迷が続く日本で、この規模を超えるホテルが誕生するとはなかなか考えられないのかもしれませんが、インバウンド客の需要はコロナ禍前、ずっと右肩上がりでした。今も復調しつつあります。
その辺の需要を見込んで、世界一の客室数を誇るホテルが仮にできたとしたら大変な話題になりそうですね。
以上、観光分野に関連した世界一をいくつか紹介しました。その他、さまざまな分野の世界一が存在するはずです。
自分の興味関心を中心に、世界一の〇〇はどこにあるのかを調べて見ると、次の海外旅行の行き先選びのヒントにもなるはず。単純に、情報収集だけでも楽しめるはずですので、試しに調べてみてはいかがですか?
【参考】
- 世界の温泉の数を調べています。 – レファレンス協同データベース
- Largest hot spring (surface area) – Guinness World Records
- Largest national park – Guinness World Records
- Largest church – Guinness World Records
- 【日本最大級・超高層ホテル】客室数2311室「アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉」が完成 – 建築通信新聞
- よくある質問(FAQ) – 品川プリンスホテル
- Largest hotel (number of rooms) – Guinness World Records
- 人口 – 歌志内市
- 温泉源泉調査結果 – 環境省
- 大自然がくれた美の恵みに感謝! マオリ文化が息づく「ロトルア」へ – 朝日新聞
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