広島県北東部、標高400~700mの高原地帯にある神石高原町。山陽新幹線の福山駅や山陽自動車道の福山東インターから車で約50分、湖や渓谷、のどかな里山といった豊かな自然が広がる場所です。
神石高原町で、標高約700mの高原にあるキャンプ場が人気を集めています。2022年初めに構想がスタートした「ジンセキ テントサウナ」が同年10月、「ひろしまの宝物グランプリ2022-2023 新体験部門 グランプリ」を受賞。翌2023年2月からジンセキ テントサウナ(天空サウナ)として予約販売が始まりました。
サウナ愛好家たちが広島県内そして東京や大阪など県外からも徐々に訪れ、近年のサウナブームも合わせて話題となりつつあります。
今回、2023年12月から始まった中上級者向けという真冬の「天空サウナ~極 kiwami~」を体験。さらに、サウナと一緒に味わいたい「サ飯」や、自然あふれる神石高原町の魅力についても紹介します。
人気のキャンプ場でテントサウナ、目の前はパノラマビュー
福山市内のレンタカー店で車を借り、神石高原町に向け、国道182号線を北上。道中に「道の駅182ステーション」があり、トイレ休憩やサウナの準備などに最適です。冬だと路面凍結や雪の可能性もあるため、車ではスタッドレスタイヤが必須。
目的地は「神石高原ティアガルテン」の天竺キャンプ場。まず、ティアガルテンの受付で入場料を支払い、先へ進むと、遠くの山々までパノラマで見渡せる絶景が広がっています。まさに天空といえる場所で、よく晴れた日には鳥取大山まで見えたり、秋には雲海を体験できたりすることも。
ここの標高は約700m。福山市内などより気温が5度ほど低く、夏も涼しい場所です。特に春から秋にかけての休日は、このキャンプ場が多くのテントで埋まるほど人気なのだとか。
「天空サウナ」体験の流れ①持参物は「水着」「サンダル」のみ!
テントサウナは、1日1組限定で、最大6名まで利用可能。サウナ用のテントがまず1つ、そして、休憩用の暖テント(気温20~30度)が有料で追加できます。
開始1時間前の朝9時ごろから準備や着替えなどを行い、通常10時から16時までがフリータイムでサウナ体験。持ち物は水着とサンダルのみ、他にテントサウナで基本必要なものは現地で用意されています。
いざ、サウナ開始。サウナ歴15年以上でJTSAテントサウナ安全運営アドバイザー資格を持つスタッフが、テントの設営から火おこしまで丁寧に説明してくれます。テントサウナが初めてでも安心です。
「天空サウナ」体験の流れ②テント内の温度80度、真冬も大汗
テント内の温度は、最大80度まで上昇します(お好みで100度近くまで上げることも可能)。サウナの本場フィンランドから取り寄せたという香花石(サウナストーン)に水をかけ、蒸気が上がるごとに熱風が身体全体を芯まで温めてくれます。
これを何度か繰り返すうち、身体から汗が噴き出てきます。身体をタオルでおおい、サウナハットを被っていても、80度での熱風はなかなかのものがあります。
「天空サウナ」体験の流れ③男女一緒にサウナ体験できるのも魅力
身体中から汗がしたたり落ちてきたころ、テントの外へ出ます。冬だと外気温がマイナスであることも。それでも身体は温かく、特に冬は自然の力で身体を冷やす、その体験は貴重です。
身体を冷やしたら再びテントサウナへ。これを休憩も適時はさみつつ、何度か繰り返します。水着着用のため、男女一緒にサウナ体験できるのも、テントサウナの良い点と言えるでしょう。
一方、春から秋にかけてのテントサウナは、サウナ初心者の方も楽しむことができます。テントのそばには水風呂も用意されています。自らテントを張ってのキャンプと、このテントサウナ両方の体験も可能。夜の星空も楽しめ、人口も車も少ない場所しかも高原であることから、雲がない夜は天の川までくっきり見えます。
「サウナめし」も絶品ぞろい、神石牛BBQやジンギスカン焼肉も
サウナ中の「サ飯」は、神石牛のバーベキューセット(1人前3,850円)がおすすめ。神石牛は2022年5月の日米首脳会談でのワーキングランチでジョー・バイデン米国大統領も食べた、口の中でとろける味わいとうまみの神石高原町の名産です。コンロや七輪、炭なども有料で貸出可。
冬限定で、神石牛すき焼き(5,000円、2名より予約可)もあります。野菜や米なども神石高原町の産品をそろえ、サウナ後に食べる味は格別です。
また、ティアガルテンのカフェで、神石高原町の特産品を使って煮込んだ「チキンとまとカレー」や国産和牛の「ローストビーフ丼」、隣接するゴルフ場(カントリーパーク仙養)のレストランで、名物「ジンギスカン焼肉」も楽しめます(ゴルフ利用者だけでなくレストランのみ利用可)
さらに、テントサウナの前に「道の駅182ステーション」で、地元産の野菜や肉などの食材を調達して持ち込み、自ら「サ飯」作りにも挑戦できます。
調理ツールなどはティアガルテンでレンタル可。なお、天空サウナでは、飲食や食材の持ち込みや調理が可能です。
神石高原町で「天空サウナ」が始まったキッカケ、実は…
ところでなぜ、神石高原町でサウナテントの体験が始まったのか。
実は、神石高原町は町内に鉄道や高速道路がないうえ、人口減少が著しく、学校や地域活動の存続などの問題も抱えています。2023年現在の人口が約8,000人、2060年には3,000人ほどに減るとの予想で、「広島県内で最も消滅の可能性が高い」とされています。
町の魅力について知ってもらおうと始まった取り組みの1つが、この雲海が見えるキャンプ場であり、今回のテントサウナです。キャンプ場を訪れるのを機に、町中にある他の見どころやグルメなどの魅力も知ってもらいたいという思いもあるとのこと。
例えば、廃校の小学校跡地にある「神石高原温泉」は、全国で数少ないpH10.2の強アルカリ性温泉。まるで美容液のような肌触りのお湯で身体がトロトロに。
ほかに、景勝地で知られる帝釈峡での大型船クルージングやカヤック体験、弘法大師ゆかりの「長生きの水」、雲海体験が楽しめる「紙ヒコーキタワー」など。先に紹介した神石牛をはじめ、トマトやブドウなどの青果、こんにゃくやみそなど名産品も多くあります。
この天空サウナの存在を知り、遠方からわざわざ足を運び、「こんなサウナを体験したかった!」という声も実際多いとのこと。
サウナ初心者なら春から秋にかけての暖かい時期にまずは体験してみる、そして、サウナ経験が豊富な中上級者であれば雪が積もることもある冬の時期に究極のテントサウナに挑戦する。広島県随一の高原で、大自然の絶景とともにテントサウナを楽しむ旅をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
- ジンセキテントサウナ
- 広島県神石高原町上豊松72-8(神石高原ティアガルテン・天竺キャンプ場)
- 0847-85-2201(神石高原町観光協会)
- 15,000円+1,000円/人×人数 ティアガルテン入園チケットが別途必要(3カ月パスポート500円)※サウナ予約は利用8日前まで受付
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