おばあちゃんの原宿「巣鴨」で、なぜ大学生が盆踊りで街おこし?

そして盆踊りがはじまった!

大塚学長の挨拶と女子学生の司会コンビの合図で盆踊りがスタート!

時計の針が午後6時を指した頃、女子学生コンビの軽妙な司会による「鴨台盆踊り」の幕が、ついに上がりました。

大塚伸夫学長のご挨拶に続いて始まった最初の曲はAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』! これを『炭坑節』のフリで踊るというのですが、曲とフリとが見事にハマッているのには本当に驚きました(笑)。

その後も地域の踊りのサークル「つぼみの会」の皆さんのお手本をマネしつつ、盆踊りの輪は、二重三重にどんどん広がっていきます。小学生や女性の姿も目立つ太鼓サークル「鼓友」の祭り太鼓に乗って、幼児からお年寄りまで、地域の人々の明るい笑顔が花開きます。

さらに事前にかなりの練習をしたと思われる、剃髪に作務衣姿の仏教学部の学生たちも、見事な所作を披露します。

盆踊りには地域の若い母子がたくさん詰めかけた

正直にいえば、大学のキャンパスで行われる盆踊りが、こんなに盛り上がるとは思ってもいませんでした。また繰り返しになりますが、キャンパス内に詰めかけた子育て世代の親御さんや乳幼児の多いことには、新鮮な驚きがありました。

池袋からも至近距離にあるこの地域にももちろん、少子高齢化の波は押し寄せています。しかし、地元の大学キャンパスで開かれる盆踊り大会に大集合した老若男女の踊りの輪を改めて見つめるうちに、この地域にはまだ世代間の循環があるということが、まざまざとわかったのです。

僧侶のいる風景は大正大学の日常

大正大学と3商店街の連携による地域活性化活動が、今後どのような方向に進み、どのような成果を挙げていくのかについては予断を許しません。

しかし、少なくともこの地域を生まれ故郷とする乳幼児たちが、「鴨台盆踊り」を毎夏のお楽しみとして、いつまでも楽しめるような環境が形成されていけば、小さくない成果がもたらされるだろうことは容易に想像されます。

そうなったときにはひょっとすると、レオナルド・ダ・ヴィンチの考案とされる「永遠性(循環)」の象徴、すなわち二重螺旋構造をもつ「すがも鴨台観音堂(鴨台さざえ堂)」の階段は、地域における世代間循環の象徴として、新名所になっているかもしれません。

  • image by:未知草ニハチロー
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