千葉なのに東京を名乗る「浦安市」が、我が街を見つめ直す?市民ドラマ

なぜか、東京の名を騙る施設が多い千葉県。その代表格が浦安市と言われています。その浦安市ですが、1981年に市制を施行して35周年の節目となる今年に、ある市民ドラマを制作しました。企画・制作・出演はすべて市民というこの作品、その浦安市の魅力を凝縮したゆる〜い市民ドラマがまた面白いんです!

なぜ千葉県は東京を名乗る施設が多いのか?

「虎の威を借る狐」「尻馬に乗る」「他人のふんどしで相撲をとる」といった慣用句をご存 知でしょうか。全部とはいかなくても、ひとつかふたつは耳にしたり、使ったことがある人も多いでしょう。では、「長い物には巻かれろ」はどうでしょう。も ちろん知っていますよね。それぞれ少しずつ意味合いは違いますが、要は「力のある者を利用して、自分の利益を得よう」ということ。強い人やできる人には頼っちゃえ!という考え方です。

そして、これを地で行くのが千葉県

東京ドイツ村(船橋市)、東京歯科大学(千葉市)、新東京国際空港(成田市)、ららぽーとTOKYO-BAY(船橋市)……と、まさに「東京の威を借る千葉」状態。県内のあちこちで、東京のふんどしで相撲をとりまくっているわけです。

これに対して「ズルイ!」「嘘つき!」といった声もありますが、当の千葉県民はそんな批判もどこ吹く風。「東京湾に面しているから」「東京圏内だし、外国人にもわかりやすい」「英語でChibaはマリファナを意味するから仕方なく」などと、その正当性を主張しています。

つまり、すべては国際的な視点にたった親切心から! この言い分を信じるか信じないかは各人の判断に任せますが、昔からある慣用句を体現する姿勢は、ある意味で日本人のメンタリティを見事に表現していると言えるのかもしれません。

ここまで読んで、「あれ? あの施設は?」と思った方がいらっしゃるかもしれません。

はい、東京ディズニーリゾートですね。

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このテーマパークのおかげで、浦安市が全国的に有名になったのは疑いようのない事実。千葉なのに東京を名乗る施設の代表格です。


東京ディズニーリゾートには、年間3000万人以上が訪れます。つまり、日本人の4人に1人が毎年浦安に足を運んでいる計算。中には東京と思い込んで浦安に来て、そのまま帰る人もいるかもしれません。それだけのネームバリューが東京ディズニーリゾートにはあるのです。

浦安には他にも魅力がいっぱいあるんです。

東京湾に面した浦安は、海に沈む夕日が美しかったり、漁師町の名残で浦安駅前の魚市場が活況に満ちていたりと、他にもたくさんの魅力があります。

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夏季オリンピックの年には、100基の神輿街中を練り歩く浦安三社祭が開催され、イベントも豊富。小麦粉、玉ねぎ、山芋、卵を練ったものにパン粉をつけて揚げる、たまごフライというソウルフードだってあるんです。

まだまだ魅力はたくさんあり、すべててあげていったらキリがないほど。

でも、これらの魅力は東京ディズニーリゾートの陰に隠れてあまり知られていません。もし、これが自分の地元だったら、はがゆいですよね。地域の歴史や伝統だったり、名産品や郷土食についても知ってもらいたいと思うのは当然のこと。

そして、浦安市民が浦安の魅力を紹介すべく、立ち上がりました。

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