日本の60歳以上が海外から高評価。世界40か国「民泊ホスト」調査

先日、宿泊施設・民宿を貸し出す人向けのウェブサイトを運営するAirbnb(エアビーアンドビー)は、「全世界のホスト調査結果」を発表しました。ちなみに、ここでのホスト(host)とは、「空いている部屋を、ゲスト(部屋を借りたい人)に貸し出す人」のことを言いますが、日本の受け入れる側であるホストはシニア世代が多いそうですよ。

我が町にも観光客が来る時代に突入

世界最大の民泊仲介Airbnb(エアビーアンドビー)は、世界40か国の民泊ホストの調査結果を発表しました。

それによれば、日本の民泊の特徴は60歳以上のシニアホストが多いこと。昨年に比べると235%も増えたそうです。シニア世代にとってみれば、子供が巣立った後の空き部屋活用とリタイア後の収入確保という一石二鳥のおいしい仕事。関心のあるシニアは多いのです。

image by: PR TIMES(Airbnb)

日本への外国人観光客が2000万人を超し、2020年には東京オリンピック&パラリンピックがあることも考えれば、今後の民泊需要はますます増えます。シニア世代が持つ空き家や空き部屋を活用すれば、宿泊施設不足問題への対策も進むことでしょう。

重要なのは、この現象は地方にも無関係ではないということ。いわゆる東京 → 富士山 → 大阪といったゴールデンルートを体験済みのリピーター外国人観光客は、魅力的な日本の地方都市、山間部や海岸部などにも足を運びます。旅好きな日本人も同じです。そのとき宿泊設備が整っていなければ、単なる通過点となって、みすみすチャンスを逃すことになってしまいます。

だから、これからの民泊整備は地方都市ほど重要。そして、地方都市のシニアホストの活躍が期待されるのです。この点に関して、Airbnbの調査に興味深いデータがありました。

地方都市ほどシニアホストが大活躍!

Airbnbの調査では、日本ではホストが比較的少ない地方都市であればあるほどシニアホストが活躍しているというのです。確かに、地図の「シニアホストのトップ10」には群馬県高崎市静岡県伊東市和歌山県田辺市などが入っています。

image by: PR TIMES(Airbnb)


高崎市は近くに「富岡製糸場と絹産業遺産群」が、田辺市には「紀伊山地の霊場と参詣道」があるので、これは世界遺産効果でしょう。しかし、 ホストが100人以下の地域でも、シニアホストの割合は平均39%を占めているというのです。

これはどういうわけなのでしょう。それは、また次の章で分析するとして、もうひとつシニアホストに期待できる数字がありました。

それは、シニアホストの評判がすこぶるいいということです。

Airbnbの「2015年5つ星レビューを受けた旅行の割合」のグラフをみると、年齢が60歳以上のホストの70%が5つ星の最高評価を獲得しています。そして、最高のおもてなしと評価されたスーパーホストも日本のシニアホストの17%を占め、世界の平均7%に比べるとダントツの数字でした。

image by: PR TIMES(Airbnb)

外国人と交流したいシニア世代が多数

しかし、今までの数字や評価はAirbnbでのデータです。Airbnbに所属していなくても、個人的に外国人を受けいれている人たちが多数います。

特に多いのは、日本の高度成長期に海外出張や赴任の経験があり、語学がある程度できて、外国人に抵抗の少ない団塊の世代前後の人たち。この人たちは以前から、個人的に国際交流を続けてきました。そして、今では民泊に関心を持つようになってきました。

では、地方にシニアホストが多い理由は何か。まず、自由な時間を使える高齢者が多いということ。第二に、持ち家率が高く、家も広いので、民泊が始めやすいこと。三つめとして、民泊が地方には数少ない現金収入の機会となることなどがあげられます。

また、四国お遍路の「お接待」に象徴されるように、日本人はほかの地域や外国からわざわざ来てくれた人をもてなしたい地元の文化や美徳を伝えたいという意識が高いように思えます。訪れる人の少ない地域ほどそうではないでしょうか。

  • お客様ではなく、友人や知り合いが遊びに来るという感じで接したい
  • 自分も家族も一緒に会話に参加し、楽しい時間を過ごしている
  • 英語が話せなくても、身振り手振りや筆談などで心は通じる
  • 何度も来てくれて、家族のようになっている
  • 地元の食材で作った料理を出したり、美味しいお店を紹介したり、地元の自慢のスポットを案内して説明してあげると、とても喜んでくれるので、やりがいがある。
  • 日本の文化といいところを伝える役目を果たしたようで嬉しい。

報酬を得るビジネスという観点だけでなく、いわば、地元の観光大使のような役目を自覚しているということです。地域に人を呼び込む役割を担うシニア世代には大いに期待したいと思います。

  • source:PR TIMES
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