仏教美術を中心とした作品の展示をおこなう奈良国立博物館は、明治を代表する洋風建築として、重要文化財に指定されている博物館でもあります。日本や世界各国の有名な建築を紹介する無料メルマガ「建築遺産ギャラリー」では、ヨーロッパの宮殿のようと、この博物館の建築デザインを高く評価。その建築の魅力について解説しています。
ヨーロッパの宮殿のような『奈良国立博物館』
今回は近代建築史《奈良国立博物館》のご紹介です。奈良市登大路町にある、独立行政法人国立文化財機構が運営する博物館。
奈良国立博物館は、「帝国奈良博物館」として、1894年(明治27年)に建てられたもので、本館の設計者は、宮廷建築家として有名な『片山東熊』です。
本館は、フレンチ・ルネサンス様式のレンガ造りの建物で、ヨーロッパの宮殿を思わせるような、淡いイエローカラーの外壁は、桁や窓縁のグレーの石材と調和し、美しいコントラストを見せています。
奈良で最初の西洋建築として注目され、入口を中心に左右対称の平屋造り、耐震のため窓を少なくし、屋上から光を採り入れる工夫など、堅固で重厚感ある造りです。
赤阪迎賓館などを設計した片山東熊の代表的な作品で、重要文化財にも指定され、現在、日本にある4つの国立博物館のひとつとして、仏教美術などを中心に、展示・保管されています。
奈良国立博物館の本館は、2010年に「なら仏像館」と名前を変え、仏像専門の展示施設となり、2016年4月には、展示室が大幅に改装され、今も多くの来館者を集めています。
住所:奈良市登大路町50番地
Tel: 050-5542-8600
営業時間: 午前9時30分〜午後5時
観覧料金:一般 520円
image by: Wikipedia