とある日の編集部。ソースの匂いをさせながら「1度ペヤング、なくなっちゃったけど、やっぱ焼きそばといえばこれだべ」と話していると、元北海道民が一言。
「なんで『ベヤング』じゃなきゃダメなんですか? 『やきそば弁当』じゃだめなんですか」
北海道以外の人には伝わりにくいかもしれませんが、北海道でカップ焼きそばといえば「やきそば弁当」なのです。そしてそれは、データでも証明されているのです。
北海道での支持率80%!決め手はジモトならではのブランド力
ソフトブレーン・フィールド株式会社の「カップやきそばに関する調査」によると、北海道民の81.1%が全国展開される代表的なカップ焼きそばよりも「やきそば弁当」を支持すると回答。絶大な支持が寄せられていることは明確ですね。
しかしながら、この「やきそば弁当」、北海道に住んだことのある人くらいしか食べたことがないのではないでしょうか。
ちなみに「やきそば弁当」の販売元は「マルちゃん正麺」や「赤いきつねうどん」で有名な「東洋水産」なので、全国に出回ってもおかしくないはずです。ということで、その理由を東洋水産広報部に尋ねてみました。
なぜ北海道でしか販売していないの?
「1975年の発売当初は本州から販売を開始しました。翌1976年2月に北海道での発売を記念して、より北海道の方々の口に合うように味付けし、スープをつけた北海道版の「やきそば弁当」として販売したところ、徐々にシェアを伸ばしていきました」とのこと。
また、東洋水産では全国展開をしているカップやきそばのブランドはないそうです。地域に応じて地元の方々の口に合うカップやきそばを製造しているんだとか。北海道は「やきそば弁当」、東北・信越地方では「焼そばバゴォーン」というように、それぞれの地域にオリジナルの焼きそばブランドが定着しているんですね。
なぜ北海道で「やきそば弁当」の支持率が高いと思いますか?
「北海道の方々のお口に合うように、甘めのソースで、あっさりとした、飽きのこない味を追求した結果ではないでしょうか? 夏の食べ物というイメージのある焼そばを、北海道のような寒い地域に住む人に食べてもらいたいと、スープを付けたのも良かったのだと思います」ということでした。
北海道民に愛されるために頑張っていることはありますか?
「すでに北海道でのシェアは定着しているので、引き続き北海道の方々の嗜好に合わせた味をお届けしていきます」。
ということで、今後も北海道の方々にリピートしていただけるように、北海道での販路を充実させ、北海道の方々のためのカップやきそばとして「やきそば弁当」を販売していくそうです。
ペヤングの販売中止期間中に関東で「やきそば弁当」を多く見かけたという情報の事実は?
「その問い合わせをよくいただくのですが、会社としては全く関与していない」そうです。
東洋水産が会社として関与しているわけではないため、その事実もわからないとのこと。実は戦略的なのでは? と思わず聞いてしまいましたが、より謎が深まる結果に。
ということで「やきそば弁当」の北海道での支持率の高さは”地域に合わせたブランドづくり”にあり、ということが判明しました。ジモトならではのブランドの確立と、販路の充実、地域に愛される味付けと付加価値、というものが「やきそば弁当」の強さの秘密でした。
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東京でも「やきそば弁当」が食べたい!という方、実は北海道のアンテナショップ等でも販売していることも。ぜひチェックしてみてください。
- image by:編集部
- source:@Press
- ※2015/05掲載、2020/10/05日更新
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