世界で受賞歴もある地ビール「湘南ゴールド」が、ビールと呼ばれないワケ

2018年4月の酒税法改正によって、ビールの定義が変わることをご存知でしょうか。従来は麦芽67%以上とされてきたビールの基準が、50%に引き下げられます。同時に、これまではビール原料として認められていなかった果物・スパイスなども、ビールの「副原料」として認められることになりました。これで、今までよりもフレーバーの豊かなビールが、売り場に並ぶことになりそうです。

しかし、50%の基準になってもなお、ビールと認められないフルーツビールが神奈川県にあります。それが、クラフトビールメーカー「サンクトガーレン」が開発した、春夏限定販売の「湘南ゴールド」です。

神奈川産「幻のオレンジ」を30%も使用したビール

湘南ゴールドとは、神奈川県が12年をかけて開発したオレンジで、未だ県内でも入手困難な稀少品。皮がレモンのように黄色で、中身はオレンジ。他のオレンジ類を圧倒するその華やかな香りは「まるで香水のよう」と言われるほどだそうです。

12年かけて開発された湘南ゴールド

柑橘はクラフトビールによく使われる副原料ですが、香りの強い皮や、加工の簡単な果汁だけが使われることがほとんどです。でもこのビールには、皮も果実も湘南ゴールドをなんと丸ごと使用しています。そうすることで飲む前のグラスから漂う香り、口に含んだとき鼻に抜ける香り、そして飲んだ後のゲップにまでオレンジの風味を感じることが出来るのだそうです。

湘南ゴールドは工場で手切りしています

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