ラグジュアリーなホテルがこのところ相次いで建っている上海ですが、今回取り上げる「ザ・ウォーターハウス・アット・サウスバンド」は、その先駆けとなった有名ホテル。外観はコンクリートが剥き出しでまるで廃墟のようですが、内部は洗練されたデザイナーズ・ファニチャーがふんだんに使われたお洒落な空間とのことで、その魅力を上海在住歴もあるフリーライターの岡田すみえさんが紹介しています。
上海のブティックホテルの先駆け
上海・南外灘にあるザ・クール・ドッグズの一角にあるザ・ウォーターハウス・アット・サウスバンドは、2010年5月にオープンしたブティックホテルです。
このホテルは、シンガポールのニュー・マジェスティック・ホテルを手がけたロー・リック・ポン氏の発案によるもの。そのロー・リック・ポン氏と上海をベースに活躍中の2人のデザイナー、リンドン・ネリ氏とロザンナ・フ氏のコラボレーションによるデザインが、他に類をみないクリエイティブでラグジュアリーな空間を生み出しています。
オープニング時には香港の映画監督、ウォン・カーウァイ氏が貸切でパーティーを開催したと言われており、エッジの効いた人たちからは既に注目のホテルだったのです。
ウォーターハウス・ホテルは、コンクリート剥き出しの一見廃墟のような建物です。この辺りは倉庫街だったこともあり、シンプルな外観は周りに溶け込み、一瞬ホテルだとは気づかないかもしれません。このホテルのデザインに使われている表面処理されていないままの茶色の木材と、灰色に磨き上げあられたレンガは、心地よい暖かさを与えてくれます。
19部屋のゲストルームは、全て異なるデザインになっています。部屋を彩るインテリの数々はスタイリッシュで、アルネ・ヤコブセン、フィン・ユール、ハンス・ウェグナーなどの洗練されたデザイナーズ・ファニチャーが使われています。
目的に合わせた使い方で楽しむ
このホテルには3つの特徴があります。まずは、隣接する大きなイベントスペース。2つめは、ホテル全体が、インダストリアル・シックな印象だということ。そして、“見る”と“見られる”ことが強調されたデザインになっているところです。
いくつかの客室は他の客室を覗き込む位置にあったり、中には鏡の付いたシャッターも付いていたり。つまり、ゲストは、中庭をはさんで反対側の部屋に滞在するゲストと対話ができるということです。
カジュアルな雰囲気なレストラン「オクサリス」
ホテル1階にある「オクサリス」は、この4月に新しく誕生したばかりのフレンチレストランです。
フレンチといっても堅苦しい雰囲気はなく、カジュアルで快適な空間で洗練された料理を楽しむことができます。
フランスのアルザス地方ロレーヌにある伝統的なビストロスタイルをベースに、シェフのジョナス・ノエル氏がより軽く繊細なアプローチで上質な一皿を提供しています。シェフはフランスの三ツ星レストラン「ミシェル・ブラス」での修行を経て、ノルウェーの二ツ星レストラン「バガテル」「レナ」でノルディック料理を学びました。フレンチと北欧料理、そしてアジアのテーストが織り交ぜられた上質な料理が自慢です。
なお、屋上にあるバーはアレンジ自在で、どんなサイズのパーティーも受け入れ可能。もちろんプライベートでの利用も可能なので、美酒を片手に心ゆくまで上海スカイラインを楽しむことができます。
- ザ・ウォーターハウス・アット・サウスバンド
- 上海市黄浦区毛家園路1号
- +86 21 6080 2988
- http://www.waterhouseshanghai.com