悪僧の伝説が残る、福井県「東尋坊」で高さ25mの絶壁を散歩

写真右上のがけの上に見える黒い点が人 image by: 福井県観光連盟

悪僧の名前が由来の東尋坊

写真右上のがけの上に見える黒い点が人 image by: 福井県観光連盟

東尋坊とは不思議な名前ですが、どのような由来があるのでしょうか。東尋坊というくらいですから、お坊さんか何かが関係していると予想されます。そこで福井最大の地方紙、福井新聞社が発行する『福井県大百科事典』を見ると、

<勝山市の名刹平泉寺の僧に由来>(『福井県大百科』より引用)

とあります。『福井県の地名』(平凡社)を調べると、やはり平泉寺の「東尋坊」という悪い僧侶が関係しているようで、「東尋坊」を好ましく思わない人たちが東尋坊まで僧を連れ出し、酒を飲ませて突き落としたのだとか。「東尋坊」は転落死します。しかし、その直後から風が吹き、雨が降って雷が鳴り、悪僧を陥れた人々を復讐(ふくしゅう)のために殺りくしたという物騒な伝承があるそう。『角川日本地名大辞典』(角川書店)には、僧侶の名前の由来まで書かれていて、

<人は死せば西方浄土へ行くが、あの悪僧は東を尋ねたであろうとして名が起こったともいう>(『角川日本地名大辞典』より引用)

とあります。ちなみに毎年4月5日、平泉寺の神事の日になると東尋坊は今でも決まって暴風雨になると言います。悪僧の呪いでしょうか。伝説は生きているのですね。


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