軍艦島と言われると、どこを思い浮かべますか?恐らく多くの人にとっては長崎県にある端島、世界文化遺産のいわゆる「軍艦島」の名前が挙がると思います。しかし実は長崎の端島だけでなく「軍艦島」と呼ばれる絶景の離島が石川県にあるとご存じですか?そこで今回は北陸在住の筆者が、石川県の見附島(みつけじま)を紹介していきます。歴史あふれる人気スポットなので、ぜひ北陸地方へ旅行する際は訪れてみてくださいね。
空海が見つけた?能登半島のアイコン「見附島」
石川県と言えば金沢が真っ先に思い浮かぶかもしれません。しかし、観光地としては能登半島も面白いです。海岸線のほとんどが国定公園に指定されるように、海沿いの国道249号線には絶景路が連続していて、ドライブには最適の場所となっています。
半島の西側(外浦)から順番に挙げると、能登金剛、輪島、白米千枚田、曽々木海岸などが国道沿いに続き、半島の東側(内浦)に入ると恋路海岸、能登島、和倉温泉、能登立山シーサイドラインが点在しています。今回紹介する見附島は半島の東側(内浦)にあり、上述した恋路海岸と隣接する見附海岸の海上200~300mに浮かぶ離島になります。
見附島は見付島とも書きます。文字通りに解釈すると、「誰か」が見付けた島だから「見附島」になったと予想されます。『角川日本地名大辞典 17 石川編』(角川書店)を見ると、地名の由来は案の定、誰かが見付けた島だとかで、その誰かとはあの遣唐使にして、真言宗の開祖である空海という説もあります。
<空海が唐から帰朝の途中、鵜飼の沖合で法華経を読誦する声を聴き、その声に従って船をこぎ寄せたところ小島を発見したので名づけた>(『角川日本地名大辞典 17 石川編』(角川書店)より引用)
他にも説はもちろんあって、『石川県の地名』(平凡社)には、
<神が最初に発見した島を見附島>(上述の書籍より引用)
といった由来も記載されています。その姿がまるで軍艦のようであるため、現在は「軍艦島」とも呼ばれているのですね。ちなみに石川県観光連盟に問い合わせてみると、「軍艦島」と呼ばれ始めた時期は不明で、石川県の教育委員会も把握していないのだとか。ひょっとすると長崎県の端島が「軍艦島」と呼ばれるようになってから、能登の見附島も誰かが「軍艦島」と呼び始めたのかもしれませんね。
北陸に在住する筆者は、何度も能登半島に足を運んでいます。個人的には能登半島のアイコン的な存在である見附島が、半島内で1、2を争う好きなスポット。国道249号線から少し入った場所にある無料駐車場に車を停めてビーチの方面に歩くと、松の木の間に間に不意に離島が見えてきます。その迫力は沖合に停泊する軍艦そのもので、思わず「おお」と驚きの声が漏れるはずですよ。
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