中世ヨーロッパが現代に蘇る。歴史好き必見の「ターボル歴史祭り」

ヨーロッパの中央に位置するチェコは、中世を思わせる美しい街並みと豊かな自然で、訪れる人を魅了しています。また小さな国ではありますが、キリンビールが公表している「世界主要国のビール消費量」によると、ビール消費量が世界1位というビール大国です。

そんなチェコの南ボヘミア州に「ターボル」という中世の面影を色濃く残す城壁に囲まれた町があります。このターボルで1年に1度開催される「歴史祭り」は、中世ヨーロッパにタイムトリップしたかのような雰囲気たっポルナお祭りです。今回なそんな歴史祭りをご紹介します。

中世の趣が残る町ターボル、その歴史

中央ヨーロッパに位置するチェコ。首都のプラハから80kmほど南下した場所に「ターボル」はあります。チェコの有名作曲家であるベドルジハ・スメタナの「わが祖国」第5曲にもなっている「ターボル」とは、一体どのような町なのでしょうか。

ターボルは、15世紀フス派の軍事拠点として作られた要塞都市です。当時、プロテスタント運動の先駆けであり大学教授でもあった宗教改革者ヤン・フスが、カトリックを否定したことから異端とされ、1415年に火刑されました。ヤン・フスの熱烈な信奉者たちであるフス派は、その怒りからプラハ市庁舎の窓から市長と市参議会員を放り投げてしまいます。それが引き金となり1419年ごろ中央ヨーロッパフス戦争が始まりました。

フス派の中にはヤン・ジジュカという軍事指導に優れた将軍がいました。ジジュカはフス派を率いてカトリックを次々と襲撃していきます。また、迫害されてきたフス派の民衆をボヘミア南部の山に集め、軍事拠点となる城塞都市ターボルを築きました。

そこでフス派の中でも急進派であるターボル派を結成し、マスケット銃などの新兵器を使い神聖ローマ帝国軍や十字軍と戦っていき数々の勝利していきますが、後に軍事力が弱まっていき、1439年にフス戦争は終結となります。

軍事拠点として築かれたターボル川や山に挟まれ難攻不落の要塞と言われてきました。崩壊することもなかったことから、現在でも旧市街は中世の趣を色濃く残しています。現在のターボルの旧市街広場にはヤン・ジシュカ像があり、広場内にはフス博物館もあります。また、当時の名残路地は複雑に入り組んでおり迷路のようになっていて旅心もくすぐられます。

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